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原子力発電から自然エネルギーへの転換を

原子力発電から自然エネルギーへの転換を

 ~ 上智大学を卒業後、商社マンとして資源エネルギーのビジネスに   30年間死のにおいをかいだ元商社マンの訴え

東京エグゼクティブ・サーチ副社長  加藤春一('68経経)



□上智大学を卒業した私は商社マンとして30年間、エネルギービジネスにかかわり続けてきた。世界5大陸54カ国に出張し、13年間も海外駐在を勤めてきた私は、今回の福島原発の惨禍は、原子力エネルギーから自然エネルギーへの大転換を人類は決断するきっかけになると信じて疑わない。

▼原爆を開発、製造したロスアラモス国立研究所

□今から20年前、ベルギーのブラッセルに駐在していた時、あるエネルギー資源の会議に出席するためアメリカ・ニューメキシコ州のアルバカーキーに出張したことがある。アルバカーキーには第2次大戦中の1943年、原子爆弾の開発を目的に創設されたニューアラモス国立研究所がある。
□初代所長がロバート・オッペンハイマーで、ここでマンハッタン計画が実行に移された。ナチス・ドイツが原爆開発に先行したのに焦った米国が、亡命ユダヤ人を中心とする科学者、技術者を集めて研究開発に取り組み、日本の広島に落とされたリトルボーイ(ウラン235原爆)と、長崎のファットマン(プラトニウム239原爆)が製造されたのだ…と考えると身震いした記憶がある。
□現在も約1万3000人以上の科学者、職員が働く核兵器と原子力の研究機関では世界最大の研究所だ。
□飛行場からホテルへ通ずる幹線道路の両側は一面砂漠で、白い砂埃をあげてタクシーは突っ走った。私は世界のさまざまなところを歩いてきたが、まさに「死の漂う広漠とした町」といった感じで、これほど死のにおいをかいだ町を他に知らない。実に異様な体験であった。

▼パリ支店に原子燃料調達の先鋭部隊

□ブラッセルからパリに時々出張した。というのも日本の大手電力会社は、現在では世界最大の原子力産業複合企業となったフランスのアレヴァ社から、商社を通じてイエローケーキを輸入していた。イエローケーキというのは原子炉の核燃料として使われる濃縮前の天然ウランのことで、アレヴァ社はドラム缶に詰めて各国に輸出している。それは実に鮮やかな黄色の粉末で、ケーキ状なのでイエローケーキと呼んでいる。
□当時、日本の原子力発電の燃料を取り扱うという大役を担った商社マンの先鋭部隊がパリ支店に集結していた。そのパリ支店長には原子力工学部出身者が歴代就任していた。アルバカーキで感じた死のにおいと広島、長崎の原爆の惨禍が脳裏から離れない私は、同僚である支店長に「なにか突発的な事故でも起きたら大変なことになるのではないか」と、原子力発電についての危機感を吐露したことがある。「そうなんだよ」という反応を期待したが、彼は逆に「全く心配ないよ」と豪語したのだった。彼は既に商社を退職しているが、今回の福島の原子炉の惨状をどう受けとめているのか、聞きたいものだ。

▼究極のエネルギー源「水素」を求めて

□人類の歴史は、究極のエネルギー源である水素(H)追及の歴史であると言ってよい。質量当たりのエネルギー密度はガソリンの3倍で、石油や液化ガスに比べても大きい。スペースシャトルの打ち上げにも液体水素が使われていることで、その威力は証明されている。
□ところが紀元0年のキリスト降誕時代から英国の産業革命が起きる1800年代初頭までは木炭の時代で、人類は森林の伐採を続けてきた。
□産業革命でエネルギーは木炭から石炭に転換され、さらに1930年代からは自動車革命で石油時代に入る。1980年ころから環境問題が顕在化して一酸化炭素を出さないクリーンエネルギーに傾倒していく。
□そしてエネルギー効率が高く、21世紀は水素エネルギー抽出方法として水素ウランの時代と原子力利用が始まった。原子力発電は世界で約650基が建設され、日本も55基が建設されている。そのうちの6基が福島にあり、今回の大事故で原子力の安全性への疑問が一挙に高まった。
□人類は自然エネルギ―への転換を真剣に検討する時代に突入したのである。

▼日本のエネルギー自給率はたったの4%

□日本の総エネルギーを検証しておきたい。日本のエネルギーは約1兆強キロワットのわずか4%の自給率しかなく、全てエネルギー源を輸入に頼っているという事実を忘れてはならない。その内訳は次のようになる。

●石炭27%(豪州、カナダ、インドネシア、南アフリカ、ロシア)年間1億1300万トンを輸入。
●原子力27%(豪州、カナダのウラン鉱をフランスのアレヴァ社がアメリカ経由のイエローケーキで輸入)
 ウラン原料は約9800ショートトン。  
●天然ガス22%(豪州、インドネシア、マレーシア、ロシア)約6000万トンを輸入
●石油12% (中東)2億2千万トンを輸入。
●その他12% 水力、太陽、地熱、バイオマスなど。

▼国民総意で自然エネルギー転換を

□環境エネルギー政策研究所は、化石燃料と原子力からの脱皮を基本にして自然エネルギーに転換していくと67%までまかなえるという数字を打ち出している。その場合の自然エネルギーの内訳は太陽光18%、水力、バイオマス各14%、風力、地熱各10%、その他33%だという。その他はLNGや石炭だが、私は徐々に自然エネルギーの比率を高め、何年かかるかわからないが、最終的には100%自然エネルギーに転換すべきだと思う。
□エネルギー資源ビジネスに長年かかわり広島、長崎に落とされた原爆を開発、製造したアルバカーキーで、死の灰のにおいをかいだ人間として、私は今後2、30年はかかると予測されるが、子どもたちの健康と地球環境を守るためにも原子力発電から自然エネルギーへの根本的転換をはかる必要があると認識する。(了)
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