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INTERVIEW J:COM・森泉知行氏に聞く

株式会社ジュピターテレコム(J:COM)
代表取締役社長 最高経営責任者・森泉知行氏(1970外西)に聞く

「The Entertainmedia Company J:COMの向かう道 ~
他社がやっていないことをどんどんやる、お手本を作っていく会社にしたい」


日時:2010年7月7日
場所:東京・千代田区のJ:COM本社応接室にて


(写真:森泉知行氏:J:COM本社応接室にて)

買収のニュースから始まった2010年

2010年1月25日、「KDDIがJ:COMを買収!?」のニュースが全国を飛び交った。以前、ライブドアがニッポン放送を買収しようとしたり、ソフトバンクがテレビ朝日を買収しようとしたりと、通信会社が放送局を買収しようとする動きがたびたび行われては壊れて行った。そんな中、ついにJ:COMは通信会社の傘下に入ってしまうのか・・・?と心配していたところ、それから半年後の6月に、KDDI、住友商事、J:COMの3社によって、通信と放送がお互いのメリットを生かして、同等の立場でアライアンスを組んでゆくことを発表。


(写真:左からKDDI両角寛文・取締役執行役員専務、J:COM森泉知行・代表取締役社長、住友商事大澤善雄・取締役常務執行役員)※写真は日経ニューメディアニュースより抜粋

取材の申し込み

そんな激動の渦中のJ:COM社長森泉知行氏は我らがソフィアンズ。ぜひいろいろお話を伺いたいと取材を申し出ていたところ、念願かなって去る7月に、1時間30分に渡るインタビューをさせていただくことができた。放送会社(専門チャンネル)がこれから通信とタグを組んでどのように生き残ってゆこうとしているのか。これからの放送と通信はどんな方向に向かってゆくのか。そんな熱い思いをお聞きすることができた。



日本初のMSO

まずは、森泉知行さんの、現在に至るまでの激動のJ:COM人生をお聞きした。

1948(昭和23)年1月東京都生まれ。1970年上智大外国語学部イスパニア語学科卒、同年住友商事入社。
ケーブルテレビは、地域資本による地上波の再送信から始まったサービスである。そして、90年代前半に地元資本要件や外資規制等が撤廃されたのを機に、1995年、住友商事と米国のTele-Communications International, Inc.(現:Liberty Global, Inc.)の合弁会社として、設立されたのがジュピターテレコム(J:COM)だ。従来の地方ごとのケーブルテレビ会社ではなく、米国をモデルとした「MSO」(Multiple System Operator)と呼ばれる複数の地域を束ねる形態を日本で初めて実現させた。現在は全国50局を束ねているが、当時はわずか4カ所の地域からスタートしたとのこと。また、ケーブルテレビ先進国である米国の状況から、視聴形態の変化や趣味の多様化によって、いずれ地上波の総合編成では視聴者のニーズに対応できなくなると考え、当時としては画期的な専門チャンネル化を推進。今ではあたりまえとなっているケーブルテレビでの専門チャンネル視聴は、J:COMがその一翼を担ってきたのだ。

商事会社から放送事業に

森泉氏は専門チャンネルのセの字も念頭になく、1970年に住友商事に入社。45歳の時に米国住友商事の投資事業部に転勤となり、2年後には、米国住友商事の事務機器リース会社(Phoenixcor Inc.)の会長として敏腕を振るうことになった。そして1997年に帰国、ここから放送ビジネスの道へと入っていく。
帰国後は、テレビショッピングの草分け的存在でもある、『ショップチャンネル』の社長として、家庭用品やファッション雑貨を売る毎日。海外生活の経験でケーブルテレビや多チャンネルへの理解を深めていたこともあり、『ショップチャンネル』は見事成功を収めた。

専門チャンネルを育てよう

チャンネル運営の腕を買われ、2000年にはチャンネル運営会社であるジュピタープログラミングの社長に就任、徹底的に専門チャンネルの開発に従事することになる。ここで、新しいチャンネルの立ち上げやM&Aを手がけ、『ムービープラス』や『LaLa TV』、『ゴルフネットワーク』、『ディスカバリーチャンネル』や『アニマルプラネット』、『AXN』や『キッズステーション』『日経CNBC』など、多くの有力チャンネルが誕生。チャンネル運営のビジネスモデルを確立させることになった。

J:COM社長、そして上場へ

そして2003年3月より、現在のジュピターテレコム社長となり、自ら開発した専門チャンネルを始め、多チャンネルサービスを地域へ普及していくことに。ジュピターテレコムは2004年に黒字化、2005年にはJASDAQに上場を果たすなど、森泉氏の挑戦はまだまだ続いている。当年とって62歳。趣味は旅行だとか・・・。




(写真:熱く語る森泉知行氏)

有料放送が普及していない日本

現在、日本では有料多チャンネルの利用者数は約1,100万世帯、全世帯数の約21%。(総務省、「放送ジャーナル」(2009年12月号)、スカパーJSAT㈱公表資料より)であり、これは先進国中で最も低い普及率である。一方で、米国では約80%、ヨーロッパでも約50%近くで利用されている。その理由は大きく2つあると森泉氏は言う。
(1)日本では、テレビは無料という時代が長く、お金を払う価値のある良質なコンテンツが未開発のままで、コンテンツが慢性的に足りない状況。

(2)BSチャンネルの存在感が増している。無料のチャンネルが増えただけでなく、内容的にCSチャンネルと重なるものも多い。

日本の多チャンネル視聴は、将来的にはヨーロッパと同じ40%程度の水準には届くポテンシャルを持っている、と言う森泉氏。そのためにはコンテンツが重要となることは間違いない。しかし、1チャンネルあたりの視聴者数は地上波に及ばないため、業界全体で視聴者を得ることを考える必要がある。そのためには、チャンネル同士の合従連衡も視野に入れていくべきではないかと語る。また、専門性の高いニッチなチャンネルであるほど、収入が限られるために配信料が高くなる、という問題も出ている。今後は配信方法などに工夫の余地があると考えているそうだ。

音楽業界の二の舞はできない

映像配信においては、すでにYou Tubeなど、低コストで手軽なサービスが爆発的に普及し始めている。これは新たな分野として注目すべきものではあるが、音楽ビジネスの二の舞をしてはいけない、と森泉氏。というのも、次のような問題意識があるからだ。音楽業界では、レコード会社の高コスト体質のまま何十年もやってきた結果、不正コピーのネット配信や低コストで爆発率の高いインディーズCDに、完全に業界全体がやられてしまった。そして、対応が後手に回り、権利処理も甘いまま、無料でどんどん流しているうちに、抜き差しならない状況まできてしまっている。クオリティの高い作品を作る力がなくなり、ますます業界全体がますます沈没してしまう・・・。映像ビジネスにおいても、映像管理やコピーライトをきちんと整備し、不法視聴を見逃さないことが重要である。そうしなければ、結果として放送業界全体に悪影響を及ぼすだろう、と語る。

いつでもどこでも専門チャンネル

J:COMでは、より多くの顧客接点を作るため、これまでのサービスに加え、テレビの見方を変える新しいタイプのサービスを始めている。すでに、ダブルチューナーとブルーレイディスクドライブなど大容量録画機を内蔵したSTBを提供し、タイムシフトを可能にしているが、さらに、VOD(ビデオ・オン・デマンド)を活用し、過去の作品だけでなく、コンテンツの即日配信やプレビューサービス(先行上映)を積極的に行っており、番組表にとらわれない新しい視聴形態を提供している。米国では、いつでもどこでも専門チャンネルが観られるという「TV everywhere」のサービスがすでに開始されているといい、J:COMでも今後はそうしたサービスを検討していく考えだ。

また、今年新たな株主となったKDDIとの業務提携にも意欲的だ。例えばauの携帯と自宅の電話(J:COM PHONE)間の通話優遇などを来年から実施する予定であり、そのほかにもコンテンツの調達一元化や次世代STB開発など、様々な分野での提携施策を検討中とのこと。有線と無線を組み合わせれば、携帯電話やモバイル機器を通して、J:COMのサービスがいつでもどこでも受けられるようになるなど、今後のサービス提供に無限の可能性が出ると森泉氏。
今後の私たちと映像メディアとの付き合い方、楽しみ方は、森泉さんが握っているとも思える、パワーを感じたインタビューだった。


森泉社長に聞く:Q&A

Q:大学時代の思い出などあれば・・・
A:大学時代は、学園紛争の真っ只中だったので、あまり勉学での思い出はないが、2年生の時に、当時としてはまだ珍しかった「交換留学」制度でフィリピンのアテネオデマニラ大学に4週間留学したことが何よりも今の自分の役に立っている。自分の考えを持って新しい道を築いてゆくことはその頃に学んだことだと思う。皆さんも大いに、学生時代にしか体験できないことを学んでほしい。

Q:第20回コムソフィア賞を受賞された鳥飼玖美子さんは同じ学部の先輩?
A:鳥飼玖美子さんは私と同じイスパニア語学科の1年先輩。我々の時代は学生運動の時代だった。彼女が闘争の脇で「こんなことをしている場合じゃない、もっと勉学に安心して臨める環境を作らないのか?」と叫んでいたの思い出す。

Q:森泉社長が声をかけてマスコミ関係者が集まっていると聞きますが・・・
A:MCソフィア会というのを有志で創設した。MCとはマルチチャンネルの略。ケーブルテレビや衛星放送など、多チャンネルビジネスに携わるソフィアンズが思いのほか多くいるので、このような会でお互いの悩みや課題を共有しようという試みである。現在、博報堂DY社長の大森寿郎(72年文学部卒業)さんや東映アニメの高橋浩社長(67年文学部英文学科卒)など総勢40名が集まっている。マスコミソフィア会ともぜひ連携していきたい。(MCソフィア会の会合の模様はこちらをご覧ください

Q:現役ソフィアンズに一言お願いします!
A:J:COMは毎年250名ほど新入社員を採用している。現役学生に期待することは、「上から言われたことをただこなすのではなく、自分の考えを持って、プロアクティブに行動する」「建設的な批判精神を持つ」ことである。
特にJ:COMは、自ら先陣を切ってさまざまなことにチャレンジしているので、他の会社がやっていることを真似ることができない。常に新しい道を行っている会社である。だから、自分からどんどん意見を言う、行動を起こすという気概がないといけない。


(写真:左から磯浦幹事、森泉氏、筆者)

(取材:土屋夏彦:1980理電)

<J:COMホームページ>
http://www.jcom.co.jp/

<関連ニュース>
■KDDI、J:COMを関連会社に 3600億円で株式取得(1月25日)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1001/25/news072.html

■株式会社ジュピターテレコムへの資本参加について(1月25日)
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2010/0125/index.html

■KDDI、J:COMへの出資比率を3分の1未満に引き下げ--金融庁からの指摘を受け(2月12日)
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20408487,00.htm

■JCOM・住友商事・KDDIアライアンス検討に関する覚書締結記事(6月10日)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100610/349081/
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