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【手記】参院選で賢明な選択をした日本国民

NHK7月11日選挙速報画面1「11日に行われた第22回参議院選挙は、民主党が、改選議席を大幅に下回る44議席にとどまって敗北し、与党は、非改選の議席も含めて過半数を確保できず、国会は衆参で多数派が異なるいわゆる「ねじれ」の状態となった。」(7月11日NHKニュースより)

 今回の参院選挙での民主党の大敗は、起こるべくして起きた結果だと受け止めている。つまり政治というのは簡単に人をだませるほど甘いものではない、ということだ。高度経済成長に酔いしれていたころは、だれもが普通に生活していれば給与は上がり、暮らしは豊かになっていった。しかしバブルがはじけてからは生活が苦しくなるばかりだ。そのときにこそ政治家が先手、先手と新しい政策を打ち出していたら、これほどひどい生活の落ち込みはなかっただろう。残念なことに自民党のボスたちは世襲制という安易なイスに座り続け、官僚たちの操る下請け人形になり下がってしまった。小渕、橋本、小泉、安倍、福田、麻生と歴代の首相はすべて世襲制で親の遺産を引き継いできた。つまり政治という仕事は、官僚に任せ、いかにも自分が指導者であるように見せていれば転がっていくと極めて安易に考えていたに違いない。小泉は悪賢いからプレスリーの真似までして、必要以上にブッシュ大統領にすり寄った。その情けない姿を批判しなかったのが大手マスコミだ。

 国家として大事な安全保障の問題は日米同盟という言葉をお経のように唱え、繰り返していれば米国が上手にさばいてくれる。米国に依存していれば全てオーケー。下手に反抗でもしたらどんな手痛いしっぺ返しが来るかは、田中角栄のリクルート事件など過去のさまざまな例で実証されて、分かっているからできない。今回も、わざわざ選挙前を狙って東京地検が小沢一郎の資金管理団体「睦山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入疑惑で、秘書を逮捕した「国策捜査」の陰に、アメリカ情報機関のにおいを感じる。

 民主党に変わったところで、この政治家の基本的な発想、姿勢は同じである。このような政治が続く限り、富める者と貧しい者の格差が拡大するだけでなく、国の将来に不安を感じたから、もしかしたら政治の方向を変えてくれるかもしれないという淡い期待を国民が民主党に期待したのは当然だろう。だが結果的には自民党と同じだった。いや、むしろ甘い幻想を振りまいて、その気にさせた鳩山首相の言動は偽善者的で、自民党より悪い。

 その典型は沖縄米軍基地移転問題である。「国外へ、最低でも県外へ」と言っておきながら、最後は「抑止力について勉強不足でした」と弁明するに至っては、開いた口がふさがらない。鳩山首相が単なる政治を趣味ではなく、信念を持って日本の政治をよくしようと考えていたら、最後の段階でアメリカに「グアム移転」を求めればよかっただけの話だ。アメリカは民主主義の国だ。日本が真剣に国外移転を主張すれば、それこそ話し合いの場につくはずである。日本が返答に窮する難題を持ち出してくるだろう。そうしたら、正々堂々と議論すればよい。それもせずに顔色をうかがうアメリカ依存の外交は終わりにしてもらいたい。

 ブッシュ大統領がポーランドに迎撃ミサイルの設置を決めたが、オバマ大統領が政権交代を理由に、設置を取りやめたではないか。それを期待した国民は裏切られた。それが今回の参院選でのしっぺ返しとなって出た。菅直人も汚い。副総理で鳩山首相と協力して対処しなければならないときに、基地移転問題では傍観者的立場を貫いた。世襲ではないが、それだけ機を見るに敏。権力亡者のにおいが鼻につく。自民党が消費税の値上げを口にしたとたん、それに便乗しようとした下心が丸見えだ。菅直人も残念ながら真の政治家ではない政治屋なのだ。

 だからと言って国民は自民党には政権を渡したくない。仕方がないが民主党にお灸をすえなければと判断したのが、今回の参院選挙の結果だ。その微妙な手綱さばきは捨てたものではない。沖縄の比例区で最も多くの票を集めたのは県内移転に「ノ―」を言い続けた社民党だった。逆に自民党は最低で、辺野古移転を決めた自民党にもノーを突きつけている。民主党は小沢一郎が反旗をひるがえすかどうかなどで党内抗争を繰り広げているときではない。沖縄の基地問題をどうするか、子ども手当、農家補償、高齢者福祉、財源再建など、日本が直面している問題解決の道筋について真剣に討議し、挙党一致で取り組みを始めないと、次の総選挙で大敗することは間違いない。

kazuo_yokogawa横川和夫:1960年新聞学科卒。教育・社会問題ジャーナリスト。1937年小樽市生まれ、60年、共同通信入社。社会部記者、編集・論説委員などを経て97年退社、その後フリージャーナリストへ。降りていく生き方―「べてるの家」が歩む、もうひとつの道:太郎次郎社 (2003/03)、大切な忘れもの 自立への助走:共同通信社 (1997/05)、ぼくたちやってない―東京・綾瀬母子強盗殺人事件:共同通信社 (1992/04)、など著書多数、第6回(1996年)コムソフィア賞受賞

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