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三水会 2016年01月講演録:遠藤大介氏(’01比文)

■講演テーマ:「日本の航空権益と航空界の新しいトレンド」―航空会社にとって発着枠の重要性―
■日 時: 2016年1月20日(水) 18:30~20:45
■場 所: ソフィアンズ・クラブ
■講 師: 遠藤大介さん(2001年比較文化学部卒)
■参加者数:20名
※この講演録は当日の同録音声から主要な箇所を文章に書き起こし加筆・修正したものです。

㈰正面RIMG20478
<遠藤大介(えんどうだいすけ)プロフィール>

2002年(株)日本航空(JAL)に入社。入社後は、本部関西空港支店を皮切りに人事部総合職採用事務局、営業本部東京支店法人販売部、運航本部A300乗員部、 路線計画部、国土交通省所管の国際線発着調整事務局出向を経て、現在は開発部商品サービス企画部に在籍、主に機内食開発と飲料選定の業務にあたっている。

㈪黒水幹事紹介RIMG20512

黒水幹事(司会)「2016年最初のテーマは『日本の航空権益と航空界の新しいトレンド』ということで、日本航空の遠藤大輔さんにご登場いただきます。遠藤さんは、JALから国土交通省所管の国際線発着調整事務局に出向され、実際に航空権益をコントロールされていたというたぐいまれなご経歴をお持ちです。現在は開発部に在籍され、搭乗したときにお世話になっている機内食、ワイン等のセレクトを直接担当されています。

日本の航空界はここ数年、大きく様変わりしています。JAL、ANAといった2強の競争激化、LCCなどの格安航空の登場と大手航空会社の経営の行き詰まりなどがニュースとなっている。そこに横たわる「航空権益」は日本国内ばかりでなく各国との凌ぎあいをもたらす。 今回は遠藤さんが前職の国交省の委嘱業務をしていた頃の体験をもとに日本の航空権益はどうなっているかという点を中心にお話しいただきます。」

▼始まった2020年オリンピックに向けの羽田空港発着枠準備

 遠藤「私は、2001年比較文化学部卒ですが、当時は、市ヶ谷キャンパスで、四谷との交流はありませんでした。自分でパイロット志望の友人と四谷の授業によく出席し、今日ここにおられる柳本先生によくソフィアンズクラブでお話し伺っていました。」という謙遜された自己紹介で始まった。

㈰本日のフライトプラン
資料①「本日のフライトプラン」

遠藤さんは、1)JALの経営破綻伴う新規路線制限から、2)ANA・JALの2013・2014年羽田空港発着枠配分について、さらに3)平成26年に羽田・成田の年間発着75万回と他国の比較、4)羽田空港発着枠・2020年オリンピックに向けの準備、5)スカイマーク経営破綻から、6)成田空港新滑走路建設の現状、7)福岡空港レベル3空港に向けての状況など航空業界のホットな話題に触れられた。

▼東京の都市規模から考えても少ない羽田・成田の発着回数

㈪各都市の発着回数と旅客数
資料②「各都市の発着回数と旅客数」

遠藤さんは、世界の各都市の発着回数と旅客数を、資料参照しながら、日本の空港と世界の空港の状況の比較をされた。年間に飛行機が1回空港につくと1回、飛び立つと1回という数え方で、平成26年に羽田・成田の年間発着75万回になる。東京の空港は都市の規模も考えると少ない(ロンドン110万回)。 また、他の都市にくらべると国際線の数は少ないため、羽田に国際線を増やす方向である。

航空各社の理想は、 
① 飛ばしたい所(空港)から
② 飛ばしたい所へ
③ 好きな時間に
④ 好きなだけの便数で
⑤ 好きな大きさの飛行機で
⑥ 好きな高度・ルートで

この6条件を満たすことにある。だが、現実はこれができないので苦労をしておられ、その背景にある規制規約の仕組みについて説明をされた。具体的には、「SLOT / 発着枠」というものが存在している。

▼航空権益の塊「SLOT / 発着枠」

SLOT/発着枠とは 権益(traffic right)のことで、国土交通省航空局が管理、配分(二国間協定含む)している。国際線は、国ごとに2国間の協定になっている。オープンスカイを目標として、企業、路線、便数の制限を撤廃している。背景としては海外の需要を取り込み、世界的な航空自由化に対応するためである。ただし、すいている空港に限って成り立つことである。

それとは、別に、何時に飛行機が発着できるか等の現実的な問題は時間値(time slot)で、遠藤さんがいた国際線発着調整事務局が調整、配分している。注意すべきは 権益と時間値は全く別物であるという点である。この2つが絡みあうことで、現在の航空業界の構造は成立している。羽田、成田等、空港の拡張はしているが、現実的には、ダイヤは非常にタイトなダイヤスケジュールの中で運営されている。

▼不眠不休のネットワークプランニング

遠藤さんは、航空会社のダイヤ作成の仕方を国内線のひとつの飛行機の動きを例にして具体的に説明され、混み具合によっては、すいている時間にシフトして、ダイヤを成立させていけない。1日単位でなく、1週間、半年分の何百枠というダイヤを変更させる必要がでてくる。この業務、ネットワークプランニングは不眠不休の担当が多く、たいへんな仕事であることにも触れられた。

㈫国際線発着キーワード
資料③「国際線発着調整キーワード」

遠藤さんは、日本の航空法の定める混雑空港とIATAの定めるレベル3空港は別物であることを指摘された。つまりIATAのレベル3の混雑空港は、イギリスのヒースロー、ガトウィック、ドイツのフランクフルト、ミュンヘン、フランスのパリシャルルドゴール、ニースなどであり、日本国内では、成田、羽田、福岡空港がこれに入るという。

国際線発着は、国際機関であるIATA(International Air Transport association/国際航空運送協会)がガイドラインを作成していて、国ではなく、スロットコーディネーション オフィスというインコマースの組織が管理をしている。
この組織は、JAL、ANA、成田、関西空港から一人という形で構成された独立したもので、航空会社の権利を代弁するものではないという。遠藤さんの場合、JALに対して連絡は一切禁じられ、各社に公平になるように、厳しい守秘義務があるそうだ。

▼公平性、透明性、中立性が求められる国際線発着調整業務

遠藤さんがしていた国際線発着調整業務は、IATAがレベル3混雑空港として指定している成田国際空港、東京国際空港(羽田)、福岡空港を発着する定期便(国際、国内)、レベル2混雑空港として指定している関西国際空港、新千歳国際空港を発着する国際定期便に関する発着時間枠(スロット)の調整を行っていた。
そして、国土交通省航空局が定める諸規制(発着回数、駐機場数など)を遵守し、 IATAガイドライン、ローカル・ガイドラインに則って、夏ダイヤと冬ダイヤに分けて調整していたという。それには⇒①公平性、透明性、中立性の高い発着枠調整の実施、②発着枠の有効活用の最大化を図る、ことを目標にした。

▼何故空港の混雑は何故発生するのか?

航空各社が国に何時に飛びたいかというリクエストを出しても、その通り飛べないという現実がある。
それは、需要(航空会社の要望)と供給(空港容量)のバランスが崩れていることによる。つまり、需要(航空会社の要望)がある特定の時間帯に集中し、供給(空港容量)が十分でないため混雑が発生し、インバランスな状態になる。
例えば成田空港の場合は朝、夜に国際線の発着が集中し、昼間はすいている。また滑走路の不足や荷物を受け取るターンテーブルや保安検査場がネックになる場合もある。それぞれの航空会社には、制約がある、例えば、首都圏では、米軍のもっている空域もあるので、その間をなんとかぬって行ききしているため発着能力に制限がかかる。また、新千歳空港では、自衛隊が管理しているためさまざまなルールがあるそうだ。

最後に今急速に拡大しているLCC事業にもついても触れられた。日本の空港は、海外の人を多く呼ばないと国際化しないので、その意味では、LCCの今後の成長にも注目したいと語られた。

㈭講演の様子RIMG20535
講演中の遠藤氏

▼質問コーナー

LCC、ヨーロッパの航空会社や組織の効率化、貨物航空、税関の問題等について、質問があった。学生時代から航空会社志望で、英語を学ぶために、上智の比較文化学部に入られたことについても触れられた。

▼感想

航空業界は、専門的にうかがってみると、本当に国際間の問題も含め、非常に大変な業界であることを改めて認識した。東京の都市規模から考えても少ない羽田・成田の発着回数が少ないといる指摘には忸怩たる思いがした。個人的な話題だが、先日高松空港が霧のため視界不良で、飛行機は大幅に遅れ、自分の便は着陸できたが、後の便は羽田に引き返し、キャンセルとなった。乗客はもちろん、ダイヤ調整をされている、各航空会社の担当者も、大変なのだろうなと、遠藤さんの講演を思い出した。普段利用している空の旅の見方が、少し変わったような気がした。また別の機会に、航空業界のお話しもうかがってみたいと思った。
(まとめ ’77外独 山田洋子)

㉀懇親会RIMG20708
懇親会にて
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  • Date : 2016-06-25 (Sat)
  • Category : 三水会
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