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報道機関への威圧(武市英雄 ’60文英)

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四ツ谷の土手の風景

 「あなたの意見は私と異なるが、異なることを発表するのを、妨げることはしません」というのは社会人の常識であろう。自分の意見を発表することができるが、相手の人も、例え自分の意見と違っていても発表することを妨げてはいけない。これこそが言論の自由を認めている国ぐにで当然行われていることである。

 ところが、沖縄の二つの新聞(「沖縄タイムス」と「琉球新報」)は「日本をおとしめる目的で書いているとしか思えない記事が多い」などと述べる作家(百田尚樹氏)が講演で語った。自民党の若手議員による勉強会「文化芸術懇談会」で講師に立った百田氏が沖縄の二紙に対して「つぶさないといけない」などと発言した。

 そこにいた議員たちも「マスコミを懲らしめるためには広告料収入をなくせばいい。経団連などに働きかけてほしい」との発言もあった。

 これはまさに第二次世界大戦中の報道機関への威圧と同じである。大戦中は日本の新聞が合併されたり、発禁されたりすることが多かった。国家総動員法をはじめ新聞用紙供給制限令、言論出版集会結社等臨時取締法など言論の自由を抑圧する法律が多数整備された。一県一紙主義に統制されたのもこの時代である。

 言論の自由が抑圧されるのは突然ではない。徐々に迫っているのである。だからこそ、国や政権与党の動きに気をつけなければならない。

 日本新聞協会は5月29日、抗議声明を発表した。「マスコミを懲らしめるために広告料収入をなくすよう働きかけるべきとの発言や、招かれた講師から沖縄二紙に圧力をかけるような発言があったことは極めて遺憾だ」と表明した。

 沖縄タイムスと琉球新報の編集局長は7月2日、日本記者クラブで会見し、基地問題や地元メディアへの誤った認識について「事実に基づかない誹謗、中傷は看過できない」と述べた。

 憲法では人権と表現の自由が保障されている。21条で保障されている言論の自由をないがしろにした発言は許されないと強く抗議したい。(武市英雄 ’60 文英 新聞学者 上智大学名誉教授)
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