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【手記】聖地イスラエルへの旅行記:加藤春一

聖地イスラエルへの旅行記 2015年2月4日
加藤 春一('68経経)(東京エグゼクテイブ・サーチ株式会社)

■はじめに:

今迄の人生で、幸運にも世界5大陸、55か国を訪問出来た。
今回55か国目が念願のイスラエルであった。

何故念願であったのか、いくつか理由を挙げたい。

1.カトリック信者としての聖地であること。

2.昔、商社時代、資源やエネルギーに関わり、以下のユダヤ系企業と関わりがあった。

>世界的政商のユダヤ人、ドクターアーマンド・ハマーの本に地政学的に「世界の中心はイスラエルで西がオクシデンタル、東がオリエンタル」だとして、オクシデンタル石油を創業したと書かれていた。

>オクシデンタル石油は欧州駐在中や現在もお付き合いする、スイスの世界的資源エネルギー商社、グレンコーア社と同じロスチヤイルドグループに属している。(アメリカのアル・ゴア元副首相はオクシデンタル石油の副社長も務めた。)

>豪州駐在中に世界的工業塩の会社であるダンピアーソールト社とパートナーとして関わっていた。相手は世界的ユダヤ資本でダイアモンドの世界でも有名なリオ―テイント社であった。(ロスチヤイルドグループ)

>現在の仕事でも、世界的資源会社で、筆者が関わった鉄鉱石にも強い南アフリカのアングロ・アメリカ社とも関わりが有る。(ロスチヤイルド グループと言われている)

3.ユダヤ資本との経済的関わりが商社時代と現在の仕事を通じても有るので、一度彼らのルーツを訪ねてみたいと思った。

4.2年前にスイスのロスチヤイルド銀行の社長インド人のドクターシン氏と会った時「グローバリズムとはユダヤ・キリスト教」のことだとのコメントが脳裏に強く焼き付いていた。

5.ユダヤのジョークの中で5人のユダヤ人の賢人が「人間に最も必要なものは何か」を議論:モーゼが「頭脳」、キリストが「ハート」、マルクスが「お腹」もの、フロイトが「セックス」、最後に、其々正しいが「全て相対的なもの」とアインシュタインが締めくくった。

ーー世界を変革する人財が何故ユダヤ人から出てくるのか秘密を探りたい気持ちーー

6.豪州で長女がバイオリンのレッスンを受けていた時、バイオリンの世界的演奏者―オイストラッフ、メニューヒン、ハイフェッツ、パールマン等が悉くユダヤ人であったこと。まさしく「屋根裏のバイオリン弾きの世界」に興味があった。

以上が関心を持ち続けてきた大きな理由だ。

■スケジュール:

日時:1月24日(土)―1月31日(土)
主催:聖地イスラエルの旅8日間――テマサ トラベル
参加者:8人はプロテスタント中心のクリスチアンで、小生のみカトリック信徒であった。
訪問地:テルアビブ、ヤッホー、カエザリア、ガリラヤ湖、ナザレ、ベツレヘム、マサダの砦、死海、クムラン洞窟、エルサレム、その他世界のIT企業の研究所地域、ヘルツエイリア、テルアビブの街

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聖墳墓教会(筆者撮影)

■全体の印象:

今回、マサダの砦(ユダヤ人がローマ軍と3年間戦い、破れた紀元後70年、この敗北を機に、ユダヤ人は世界に離散―1948年5月14日に再度建国したが、ユダヤ人にとって聖地)を訪問し、更にユダヤ教徒の聖なる場所「嘆きの壁」と「ダビデの墓」を訪れたり、オリーブ山からのエルサレム城壁の黄金門を眺めて、ユダヤ人が世界の中心がエルサレムにあると考えていることが良く理解出来、実感できた旅であった。

特に黄金門はユダヤ教の人にとってはメシアが到来する時、門が開かれると信じられ、メシアが訪れるのは日本を含むオリエントからと信じられている。(特に黄金門の前にはユダヤ人の墓があり、全て土葬で足が黄金門に向いて埋葬されているのは早く門に辿り着けるからと言われている)

一方イスラム教徒の墓は黄金門のすぐ前に広がり足はユダヤ教徒の反対、即ち、黄金門を背に、あたかもユダヤ教徒の侵入を防ぐかの様に埋葬されていたのは印象的であった。(イスラエルでは全ての宗教が土葬である)

又、このオリーブ山から城壁の外、北側にロックフェラー財団が建てたロックフェラー考古学博物館が建てられているのも印象深かった。ロックフェラーは別名ローケンフェラーというドイツ、アシュケナジー系ユダヤ資本だからだ。

又、筆者にとっては3宗教の聖地で有るエルサレムを抱え、4,000年の長い歴史を持つイスラエルの歴史の断片に触れることが出来、世界史の動きを巨視的、客観的に勉強できたことも収穫であった。エジプト、メソポタミア、インド、中国の文明との関係性、さらにその後のギリシヤ、ローマ、オスマントルコ文明、近代では英国、フランスとの関係から国連信託統治、その後の1948年の国家独立と現在のアメリカとの緊密な関係までの歴史は、まさに世界史が全て凝縮されている感がし、感無量であった。

世界文明、国家、民族、宗教を真剣に考える上で、過去54か国のいずれの国ぐにを訪れた経験値にも無い、知的刺激に満ちた経験で、ある意味では世界観が更に深まったと言える。

ーーイスラエルは小国(四国と同じくらい、人口約800万人)ながら、世界に圧倒的影響力を与えてきた。宗教的にはユダヤ教 、約1500万人 キリスト教 約24億人 イスラム教徒16億人世界の70億人の内約40億人が関わっているーー

■以下個別的な印象:

ビジネス、巡礼者、観光客のトップは中国人、韓国人の様だ。

死海で浮遊体験の時、30人近い韓国のキリスト教巡礼団が「アレルヤ」を唄って浮遊していた。

又帰りの税関チェックでは、今迄の経験では一番厳しい荷物チェックであった(約2時間)が多くの中国人が検閲されており、10-20本のスコッチウイスキーやコニャックをトランクと別送に詰めていた。

ーー中国(北京 香港)韓国(インチョン)とテルアビブ間で直行便があり、中国には約2,000万人、韓国には約500万人のキリスト教徒がいる為と経済的関係が密接になっている為ーー

ベツレヘムと言ったキリスト教聖地や世界最古の都市エリコの周辺やゴラン高原の近くがパレスチナ自治区であった。入出国にあたりパレスチナの軍人が銃器を構えてチェックされたのには厳しさと違和感を感じた。ヨルダンに近いゴラン高原も訪問したが、未だ約3万発の地雷が埋まっており危険地帯であった。

ーー1948年以来67年の間4回の中東戦争で領土を拡大してきたが、道端に当時の装甲車が置かれたり、未だ戦争の傷跡が残されていた。ーー

自然:死海は海抜以下400メートルでエルサレムは海抜800メートルに有り、30キロの距離で1,200メートルの高低差を昇る変化と起伏の多い場所であった。

商業都市で飛行場のあるテルアビブは40万都市ながら地中海に面して風光明媚な都市で、エルサレム(約90万)から車で1時間の距離であった。

イエス・キリストの宣教活動の中心北部ガリラヤ湖周辺は多くの草花が咲き乱れ、沢山の鳥がさえずっていた。イスラエルはユーラシア大陸、アフリカ大陸、ヨーロッパ大陸の臍に位置していることで多様な鳥類が各大陸間を行き来することから日本の野鳥の会からのみならず、世界の野鳥ファンから憧れの地の様だ。

ーー自然は狭い国土ながら変化と多様性に富み、雨量の少ない乾燥地帯が多いが多様な植物と鳥類に恵まれている。ーー

人間:ユダヤ教徒75%、イスラム教徒15%、キリスト教徒2%、その他8%、キリスト教発祥地ながらクリスチャンは2%とマイノリテイーである。

然し、市場はユダヤ人、パレスチナ人、欧米人等がごった返して賑わっており、店舗も各人種で和気藹々共存している感じがした。パン、ナッツ類、果物は豊富で、魚は鱗のある魚のみ並び、肉類は量から見て牛肉、羊肉、鶏肉の順で並べられていた。

ーー宗教と民族は多様ながら、市場では巧く共存,共栄しており経済活動は合理的に割り切っている感じがした。ーー

経済活動としては、年間で約1,000社のIT企業が起業家されていて、アメリカ、ヨーロッパ、中国の企業がこれら企業の買収に熱心だ。ユダヤ人はベンチヤー企業を立ち上げる才覚には長けている。これら起業家は事業拡大が出来る欧米、中国、日本の企業に売却する。

特に以下3つの点は注目される。

1.ヘルツエリアーーテルアビブ近郊にマイクロソフト、アップル、グーグル、インテル、フェイスブック等(全てユダヤ人が起業)の巨大研究機関が林立していた。

2.又 テルアビブ工科大学は優秀なユダヤ人頭脳を集めており10年後にはアメリカのマサチュウセッツ工科大学並みになるであろうと言われていた。

その他生化学の研究も世界のトップレベルで、食糧生産も95%の自給率を誇る。特に優秀な企業人は18歳から男女双方とも全員徴兵制が敷かれ兵役に服することから(男性3年間 女性18か月)兵役期間
に頭脳、身心共に徹底的に鍛えられるので輩出しやすい。

3.世界のユダヤ人コネクションの間で情報・知識の伝播がなされているので、世界最高の科学技術水準を維持、発展出来る。

■最近の中東イスラム国問題との関係性:

カトリック信徒として日本人として平和を希求する気持ちは強いし、今迄の様な日本の平和を望む処だが・・・

安倍首相のエジプトでの2億ドルの人道支援とイスラム国が原因の難民救出の為の供与発言ーイスラム国が反発ー

安倍首相一行がイスラエルでの「嘆きの壁」にキッパを被りユダヤ教徒の聖地に入り込んだこと。(この壁の反対側の壁には世界1500万人にネットで24時間ユダヤ教徒の祈りと願いの状況が見られる設備が有ると言う)ー筆者もキッパを被り(入口に用意されている)見学した。ユダヤ教徒の熱烈な信仰心とメシア待望の気持ちの一端が理解出来た。

ー15%のイスラム教徒と周辺国及びイスラム国の人はどう思ったか、安倍首相はユダヤ教に近い人と思ったと推測する。ー

同じく首相はキリスト教徒の聖なる教会ー聖墳墓教会のキリストが礫刑から降ろされて死体が香油で塗られた場所で手を触れて合されたこと。(小生はカトリックとして同じ所作を行ったが、安倍首相はクリスチアンでは無いと理解、一方奥様は仄聞するところでは、聖心女子大卒の正真正銘のカトリック教徒の様だが)

又、首相はイスラエルの国旗を背景にネタニヤフ首相と握手し、イスラム国を非難した。(専門家も危うさを指摘していたがー)

これらの一連の安倍首相の所作は特にイスラム国の人間からは反ユダヤ教で反キリスト教ゆえ、どのように映ったか・・・。

■結論的には:

これらの一連の事がイスラム国の非人道的、冷酷無比な行動に繋がり今後も日本人がターゲットになるとすれば、甚だ大きな誤解、曲解、独善、偏見が彼等に有ると思う。又根本的に人の命を大切にする人間観、価値観と異なる部類と理解せざるを得ない。

さはさりながら、種々の情報筋からの情報では:

・成田、羽田空港での自爆や銃乱射
・大都市での生物化学兵器の散布
・原発の破壊工作
・東京、新宿、渋谷などのターミナル都市での自爆や銃乱射

等予測する人もおり、大都市の警備を強化する必要性を強く訴えている人もいる。

今後日本人が日本国内に於いても海外に於いても標的にされない様に、慎重な危機管理と誤解を生じない身の処し方が望まれるし、命と財産の安全を祈念したい。

以上

■後記:

某情報では安倍首相・ネタニヤフ首相間で安全保障に関わる「武器協定書」が締結され、これも今回のイスラム国問題の背後に有る様だ。

尚安倍首相のイスラエル訪問には約100人の官僚、企業人、マスコミが参加しているが主要企業名は以下の通り。

NEC、富士フィルム、三井、三菱を筆頭に大手6大商社(小生の出身の日商岩井(現・双日)を含む)
千代田化工、日銀、キッコーマン、開発銀行、みずほ銀行等

イスラエルの諜報機関・モサド(約1500-2000人)は世界最高のレベルと言われ、知力、気力、体力、危機管理の高さは定評が有る。

傷を治せる医師の資格、法的判断が出来る辯護士の資格、多言語を会する能力、銃、ナイフ、爆弾の作り方、情報収集能力、偽装能力を持ち圧倒的に高いと言われる。イスラム国の最後の目標はイスラエルだがイスラエル支配は世界のインテリジエンス関係者の見方では殆ど不可能とみられている。因みに現在のネタニヤフ首相もモサド出身である。

最後にカトリック的視点で述べたい:

1.イスラエル・パレスチナの紛争解決には100年の歴史スパンでバチカンが進める世界宗教会議での対話促進等が必要。

2.若者が現在進めるイスラエル人・パレスチナ人の世界コーラスツアーやキッズ サッカーの試合、教育の場での若者の相互対話、更に学者や政治家同士の対話促進を進めること。

3.昨年5月にもローマ法王がイスラエルに訪問し平和の祈りと対話の促進を促したこと。引き続き融和の役割を期待したい。

4.日本国家、日本人としてはユダヤ教、イスラム教、キリスト教国家ではなく宗教的には中庸な立場故、更に一貫して平和国家として従来同様、人道支援を進めて貰いたい。日本国、日本人はイスラエル・パレスチナ双方に仲裁の労をとれる可能性有り。

5.最後に小生の所属する三軒茶屋カトリック教会に、前イスラエル大使でバチカン大使、更にアメリカでも公使を務められた故服部比佐治氏が生前以下述べられたことは印象的だった。

世界の最重要情報ソースは
1.バチカン195か国の大使館が有り世界中の情報拠点である。
2.イスラエル(モサド含む)、インテリジエンス能力が傑出し世界のユダヤ資本ともネットワークで繋がっている。
3.アメリカ、ワシントンDC(CIA含む世界機関)
と述べていた。

現在文春会で文明を考える会でご一緒の元バチカン大使の上野景文氏もバチカンが世界情報の重要拠点の一つと指摘している故、カトリック信徒としてはバチカンに今後とも平和と融和を積極的に期待したい。
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