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「戦い済んで、日が暮れて」 〜昨年12月選挙で見えたこと〜

2013年2月20日
磯浦 康二 '57文新

▼エッ、選挙に立候補!
磯浦東ポスター

当時の選挙ポスター(磯浦東ホームページ:http://www.isouraazuma.info/

 昨年暮、私にとってのサプライズは、長男が衆議選挙に立候補したことでした。息子は小児科の医師で38歳、名古屋市の病院に勤務しています。以前から、河村たかし名古屋市長の地方政党「減税日本」の政治塾に入っていたようで、昨年11月16日の野田総理(当時)の「奇襲解散」の後、河村市長の勧めで立候補することになったというのです。そこで家内と二人で名古屋へ応援に駆けつけて12日間の「選挙戦」を体験しました。

▼供託金没収点以上の得票を・・

 全国的な大政党の場合は、選挙にかかる資金やマンパワーは政党が組織で応援してくれるのでしょうが、今回の費用は全部候補者の個人負担です。息子は親にお金の心配はかけない、数年間、医師をしながらアンパンをかじってお金をためたと言っていました。

 まず「供託金」小選挙区300万円、比例代表300万円の計600万円が必要です。その他に選挙事務所を借りる費用などなどです。

 今の「公職選挙法」はお金持ちが有利になるのではなく公平な選挙をするということで「公費負担」があります。ポスター、チラシ、はがきなどの印刷代、選挙カーの借用代、運転手の日当、ガソリン代の一部などが法定の上限がありますが公費負担になります。

 ただし「供託金」は「総投票数」の10%以上を得票しないと没収される決まりになっており「供託金没収」になると「公費負担」も全部なくなり自分で負担しなければならないのです。

 私と家内は、とにかく「供託金没収点」以上の得票をとって欲しいと思っていました。

▼未来の党公認候補

 さて、河村たかし名古屋市長の「減税日本」選出の県会議員、市会議員と支持者の皆さんの応援を受け、事務所を借り、選挙カーも仕立てて、12月4日の公示日から選挙戦が始まりました。

 選挙区は「愛知3区」(名古屋市昭和区、天白区、緑区3つの区、有権者約38万5千人)で、所属政党名は「減税日本」から「脱原発」、更に公示一週間前の11月27日に立党した「日本未来の党」となりました。

▼候補者は自転車に乗って・・・
 候補者は選挙カーの後ろから


自転車で選挙区まわり
写真:自転車で選挙区まわり、後ろに河村たかし名古屋市長が・・・。

 「本人」と書かれた赤い大きな旗を立てて自転車に乗って走ります。12日間、自転車で3つの区全域を、1日約30キロ走り回り、時々街角に選挙カーを止めて、道行く人や車に向かって「ミニ演説会」を行います。不特定多数の通行人相手ですからスローガンを叫ぶ程度です。他に支持者を集めた「ミニ集会」も数回開きましたが、参加者は20〜30人程度です。

 多くの有権者に、まとまった政見をきちんと披露する場はありません。テレビの政見放送や新聞の候補者紹介記事や「選挙広報」もありますが、限られた紙面に、通り一ぺんの「政見」が載る程度です。

▼事務所では指力が・・・

事務所で証紙貼り
写真:選挙事務所で「証紙貼り」作業・・・

 一方、事務所では、公費で印刷出来るチラシ11万枚に「証紙」を貼る作業に追われていました。公職選挙法によって、チラシやポスターには選管が発行した「証紙」を貼らなければ配布できません。
公示の日、各地の選管で「選挙の七つ道具」が渡されますが、その中に「証紙」も入っています。切手の4分の1ぐらいの大きさの「証紙」をチラシに1枚1枚貼るのは、実に大仕事です。

 事務所に、やっと机と椅子が運び込まれ、支持者が集まって1枚1枚証紙を貼りますが11万枚というのは途方もない量で、これは全てボランティアが貼らなければならないのです。お金を出して人を雇うと違反になるのです。大組織の政党などすと人手も集めやすいかもしれませんが、地方政党で、しかも新人ですから、人集めもままなりません。でも、次第に熱心な支持者が集まり、懸命の作業を続けましたが、12日間の選挙期間中の8日間ほどは、毎日毎日「証紙貼り」が続きました。

▼選挙は脚力と指力が勝負?

 国会は言論の府と言いますが、その議員を選ぶ選挙で充分な言論を戦わせる場がありません。そのことを実感しました。

 候補者はひたすら自転車をこぎ、道行く人に手を振り、選挙カーは名前を連呼するだけ、事務所ではひたすら指を使って証紙貼りで、まさに脚力、指力勝負です。ネットの使用は禁じられ、公示日以後は候補者関連の「ホームページ」の変更も出来ません。

 選挙法は、あれもいけない、これもいけないで公平を追求するのは当然とは言え「角を矯めて牛を殺す」という言葉を思い出しました。

▼選挙結果は・・・

 選挙結果は39,861票を得票しましたが落選し比例区復活もありませんでした。しかし、全くの新人で、1週間前に結党した党の候補者で、僅か12日間の選挙運動期間しかなかったにしては良くこれだけの得票を得たと多くの方が慰めて下さいました。また、総投票数約20万票の10%をクリアーしたので、供託金は没収されませんでした。やれやれ!

 それにしても、候補者同士が、堂々と議論をして政見を戦わせるような選挙(アメリカ大統領選挙のテレビ討論のような)は日本では出来ないのでしょうか?
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