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三水会11月講演会「ミシュランガイドで2つ星の『庭のホテル』」木下彩氏

■講演テーマ:「ミシュランガイドで2つ星の『庭のホテル』」 そのコンセプトとは?
■講師:木下彩(きのしたあや)さん('82外英)
    株式会社UHM 代表取締役 兼 庭のホテル 東京 総支配人
■日時:2012年11月21日(水)18時30分~21時
■場所:ソフィアンズクラブにて
■参加者数:20名

 ミシュランガイドのホテル部門で「快適なホテル」として、2パビリオンの評価を得て(最新2013年版でも同じ評価で、4年連続)、また、トリップアドバイザーの”トラベラーズチョイスアワード2012”も受賞した「庭のホテル 東京」。贅沢さより上品さにこだわった 「美しいモダンな和のホテル」だ。

今回は同ホテル総支配人で株式会社UHM代表取締役の木下彩(きのしたあや)さん('82外英)に、「先進」と「粋」、そして「和」を尊んだ江戸の町のように、機能の美と心なごむくつろぎに満ち、お客様ひとり一人に真心のあるパーソナルなサービスを提供する想いについて講演いただいた。

三水会11月木下彩氏
木下彩氏

▼「ザ 庭のホテル ストーリー」

 ロゴマークと同系色の着物姿の木下氏は「『庭のホテル』の伝道師」を自称するとおり、その「美しいモダンな和のコンセプト」を追求している。

 今回の講演はまさに「ザ 庭のホテル ストーリー」であった。まずホテル内の細部に至るこだわりが画像で紹介された。建てられたのは2009年で、東日本大震災の前だったが、安全性も重視し、免震構造で設計された。そのような構造がわからないように、「和」をコンセプトとした建物の内外は美しく仕上げられている。ちなみに、3.11の時は、花瓶がひとつだけ割れた程度の被害で済んだそうだ。

①庭のホテル東京 概要
資料 ホテル概要
(ホテルフォトギャラリーはこちら:http://www.hotelniwa.jp/hotel_guide/gallery.html

▼「庭のホテル 東京」のコンセプトとは

美しいモダンな和のホテル

江戸から明治にかけての文化遺産が数多く残り、出版社や大学などが集積する、間近に神田の古書店街を控えた、文化の香り高いこの町に、しっくりと馴染むホテル。

瓦の大屋根、手焼きの陶板の築地壁、伝統の技や意匠を随所に取り入れた、時を経ても古くならないホテル。
国際都市東京のまっただ中にありながら、大小の石の間から湧き出す水がせせらぎとなって流れ、季節の草木が芽吹き、花開き、色づく中庭に、武蔵野の面影が宿る静謐なホテル。

贅沢さより上質さにこだわり、伝統とモダンが調和する居心地のよい空間に、自然光や和紙を通した柔らかな光が満ち、知的な気分が漂う、洒落た普段づかいのホテル。


③庭のホテル東京 ロゴマーク
   庭のホテルロゴマーク

 ロゴマークは、江戸から現在までの歴史を表している。江戸の古地図をイメージに使い、明治・大正時代のように右から左に書くことで印象に残るデザインになっている。色は「深川鼠(ふかがわねず)」という江戸時代に流行った粋な色を使用。意図していないそうだが、「隠れ家のようなホテル」とよくいわれ、水道橋という立地だが、学生街のイメージとは異なる静かな場所にある。ネーミングには非常に悩んだそうだが、わかりやすく、右からの表記で認知度が高いそうだ。「たまに 『ルテホの庭』とそのとおり、宛名に書く方もいらっしゃいますが、ちょっと考えましょうね(笑)」と、木下氏は会場を沸かせた。

三水会11月プレゼンの様子1
プレゼンの様子

▼入社のきっかけとホテル設立

 次に日本のホテル業界の流れにも触れながら、入社することになったいきさつについて語られた。1960年代の東京オリンピックを機に、主たる都内の老舗ホテル(オータニ、オークラ、パレスホテル等)は創業され、70年代になるといわゆる「ビジネスホテル」という業態が出てきた。そのような時代の流れの中、木下氏の実家である旅館「森田館」と「佐々喜」は閉館され、「庭のホテル」の前身である「東京グリーンホテル水道橋」と「東京グリーンホテル御茶ノ水」が開業した。旅館からビジネスホテルの経営に転換された木下氏のお父様は「(社)全日本シティホテル連盟」の発起人でもあった。

④庭のホテル東京 会社沿革
資料 会社沿革

 「ホテル業界を意識せず、何も考えずに就職活動をし、勤め始めた」という木下さんだが、1982年にホテルニューオータニに入社した。「特に女子の就職が厳しい時代で、英語学科の女子も大変だった」と当時を振り返った。その後、専業主婦の期間もあったが、お父様の後を継ぎ社長を務めていたお母様が1994年に亡くなり、自分が事業を継ぐことになった。それまで、全くタッチしていなかったホテル経営に携わることになったが、自分より年上の社員にも、やさしく迎え入れられたという。

 「入社した当時の平成6年はバブルがはじけた直後で、ビジネスホテルにとっては好機だったし、ネット予約が現在のように普及していなかった。しかし、入社直後から右肩下がりに業績が落ちていった。ネットの存在は大きく、価格競争にとても太刀打ちできないと思った」と木下氏は当時を振り返った。ある程度の業績は維持していたが、ネット予約の普及やチェーンホテルの増加という状況の中、10年後の将来をどのようにするのか熟慮した結果、老朽化の進んでいた「東京グリーンホテル」を建て替えることにした。2007年新しいホテルの工事が開始され2年後の2009年5月に「庭のホテル 東京」として新たに開業した。「東京グリーンホテル御茶ノ水」は売却し、建築資金も得られた。

 新ホテルをどのようなホテルにするのか、まず特徴を考えた。三崎町(みさきちょう)という同じ場所に昭和10年から80年近く営業をし、近所の三崎神社という小さい神社の氏子でもある。歴史を調べると同神社は旅の神様で江戸時代、大名が参勤交代の際、道中の安全祈願をしたことがわかった。木下氏は旅館内で幼少期を過ごされたため、なじみの深い土地柄でもある。このような歴史的スポットもあり、自分が育った町でもある所のイメージアップをしたいと思い、最初に紹介されたコンセプトを考えたという。また前身の「東京グリーンホテル」はビジネスホテルとして知名度はあったが「庭のホテル」と差別化するために、あえて「東京グリーンホテル」の名称は一切出さないことにした。

⑤庭のホテル東京 会社概要
資料 会社概要

▼「ミシュランガイド」に開業年に掲載

 「『ミシュランガイド』に載れば」と冗談で言っていたが、なんと2009年5月開業の「庭のホテル 東京」は、同年11月発売の「ミシュランガイド」のホテル部門に掲載された。7月に同社から資料提出依頼があったが、新しいホテルの資料集め程度かと思い、覆面調査の人が来たのかもわからなかったそうだ。同ガイドは一般にレストラン部門が有名だが、ホテル部門もあり、「快適なホテル」として2パビリオンの評価を得ている。「ミシュランガイド」のような第3者のお墨付きもあり、「庭のホテル 東京」は話題となり、営業もやりやすくなったという。そして、2012年12月1日発売の最新版「ミシュランガイド東京・横浜・湘南2013」でも同じ評価を得たので、4年連続して掲載されることになる。(参考HP http://www.hotelniwa.jp/plan/seasons/michelin.html )

 また、世界最大の旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー(http://www.tripadvisor.jp/)」の評価も高く、同サイトのベストサービス部門で”トラベラーズ チョイスアワード2012”も受賞した。

講演会では海外からの「トリップアドバイザー」の書き込み(11月前半)も具体的に紹介され、国際的にも木下氏の「和」のコンセプトがきちんと伝わっていることが示された。「ソフトの面での改善はまだまだ必要だが、平均点以上の評価をいただきありがたく思っている」と木下氏は語った。

⑥庭のホテル東京 クチコミより
資料 クチコミより

 また、メディア紹介でも「和」のコンセプトは、きちんと発信されている。例えば「NHKの美の壺」で有名ホテルと並んで紹介され、わざわざ観光学の専門家が見学に訪れ、また、「サービスはホテルに学べ」の著者、富田昭次氏も新刊で紹介ページを割いてくれたそうだ。木下氏自身も庭のホテルの成功事例を他大学の観光学の講座で講演することが多くなった。

⑦庭のホテル東京 メディア掲載等より
資料 メディア掲載誌より

▼将来の夢はパリ進出?

 宿泊客の内訳をみると、海外からの客が、当初の予想以上の40%を占めるそうだ。東日本大震災後、数字は落ちたが、今年の桜の季節や秋の「IMF総会」の時期には、50%以上となった。欧米からの宿泊客の割合が多いそうだが、今後「中金持ち層」を中心に近隣のアジア諸国の取り込みもしたいそうだ。国内では、細部へのこだわりがわかる女性客へもアプローチをかけ、団体よりも、「上質な日常にこだわる層」をターゲットにしている。集客の方針でも、「拡大」より「充実」をめざす姿勢は、くずさず、80%程度の稼働率を維持している。

 同ホテルでは、地元との関係も重視し、「三崎町サロン」と称し、「江戸の美学」や地元の歴史を伝える見学会「江戸まちあるき」も開催。

(参考HP http://www.hotelniwa.jp/event/hotel_event/machiaruki.html )

 年始には、ロビーで餅つき大会やスタッフが案内する神田明神初詣を行い、好評だそうだ。

⑧庭のホテル東京 イベント
資料 イベント

最後に、「自分が利用したいと思うホテルを作ったので自信をもって人に薦めている。『庭のホテル大好き。知らないで死ななくてよかった』というファンを増やし、全238室を1年365日そういうファンで埋めたいと思い、日々頑張っている。従業員も大切にし、十分に恩返しをしたい。将来の夢は、あえて言えばパリにブティックホテルをオープンさせたい、半分冗談ですが・・・」と語った。

⑨庭のホテル東京 施設概要
資料 施設概要

▼感想

 淡々と自然体で講演された木下さんだが、ユーモアもあり暖かい人柄を感じさせた。コンセプトを徹底させるための並々ならぬ努力とホテルに対する強い思い入れが伝わってきた。「冗談です」と木下さんはおっしゃるが、将来、パリではどのようなホテルができるのだろうか。和服で行く固い感じの日本庭園より、普段着で行ける「日本の庭」ができればと個人的に思った。パリでの新たなストーリー展開が楽しみである。今後の季節のイベントにも注目したい。(報告 '77外独 山田洋子)

三水会11月懇親会
懇親会の様子

<木下彩(きのしたあや)さん:プロフィール>
1960年東京都生まれ。1935年に祖父が旅館(森田館)を開業、その後、父の代にはビジネスホテルチェーン(東京グリーンホテル水道橋・東京グリーンホテル御茶ノ水・東京グリーンホテル後楽園)を経営する近山家の長女として生まれ育つ。1982年に上智大学を卒業後、同年、株式会社ホテル ニューオータニに入社。フロント業務に携わる。1986年に同社を退社。1994年 株式会社 東京グリーンホテル(現 株式会社 UHM)に入社、取締役に就任。翌年、代表取締役に就任。2011年4月からは、庭のホテル 東京の総支配人を兼務。現在に至る。

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  • Date : 2012-12-25 (Tue)
  • Category : 三水会
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