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三水会3月講演会「誰も知らない地方政治の実態」稲垣淳子氏

■講演テーマ:誰も知らない地方政治の実態
■講師: 中野区議会議員 稲垣淳子(いながきじゅんこ)さん('94年外仏) 
    
■日時:2012年3月21日(水)19時~21時
■場所:ソフィアンズクラブにて
■参加者数:20名 

三水会稲垣_正面RIMG20769
稲垣淳子氏

□今月の三水会講師は、中野区区会議員選挙で2007年に無所属で初当選、そして昨年は2位で再当選した稲垣 淳子さん(無所属)。 清楚でエレガントな雰囲気の方だが、会社勤務を辞め、「政治を良くしたい」という強い思いで区会議員になったという熱い闘志を内に秘めている方だ。特に教育問題に取り組みたいと思っているが、実情はなかなか厳しいという。「この講演会を通して、地方政治の実態を知っていただき皆さんに行動を起こしてほしいと思います」と訴えていた。

選挙結果HP:http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/711000/d004577.html

三水会稲垣_質問RIMG20790
講演会場の様子

▼「皆さん、投票に行かれますか?」

□講演は、まず、「2009年の国政選挙と、4年に1度の2011年の市・区議会議員選挙投票に行った人はどのくらいですか」という会場への問い掛けから始まった。参加者ほぼ全員が挙手。「さすがに意識が高い方が、この会は揃っていますね」と稲垣さん。

□中野区では国政選挙の投票率は約60%、地方選挙は40%を切ることもあるという。また中野区の場合は、区長選挙が、単独に行われる場合が多く、このときの投票率は30%を切る場合もある。都市部では特に、地方選挙に対する意識は一般的に低いというのが現実だ。選挙に全く行かず、自分の居住地域の市長・区長の名前さえも知らない人が多い。はからずも、三水会参加者の市民・区民意識の高さが明らかになった。

▼中野区の概要

□「自分の住んでいる市や区の仕組みがどうなっているのか、皆さんご存じでしょうか?」

稲垣さんは地元中野区の概要についてデータを見ながら本題の具体的説明に入った。

■中野区の概要
人口:  310,332人 (外国人登録者数 11,335人)
世帯数: 177,325世帯
面積:  15.59k㎡ (東京都の総面積(2,186.61平方キロメートル)の約0.71%)
区長:  田中大輔
(データは平成24年3月1日現在)

■中野区議会の概要
定数: 42名(女性議員 11名)
会派構成
自民党   14名
公明党    9名
共産党    6名   
民主党    4名    
みんなの党  2名
無所属     7名

■定数: 42名(女性議員 11名)



特に注目される点は、次の点である。
1.区長の権限が非常に強い
2.区議会の政党数内訳は国政と、は全く異なる

▼強い区長の権限

□予算の中身を決める権限は区長だけにある。よく区議会議員選挙演説で、「自分が議員になったら、このような政策を行う」と候補者が訴えている。しかし予算編成権は区長にしかないため、現実的には難しいと言える。区議会議員(地方議員)は、区長が出してきた予算の内容(例えば社会保障、教育などへの金額の内訳)に対して質疑を行い反対か賛成かの立場を表することだけしかできないのだ。それほど、区長の権限は大きい。そこで、「有権者は、まず自分の居住地域の市長・区長がどのような人か、よく見極めて、選挙に足を運んでほしい」と、稲垣さんは強調する。市長・区長の手腕や考え方によって、私達の日常生活が大きく左右されることになるからだ。

▼国政と全く異なる政党数内訳

□「中野区議会の概要・会派構成」にあるように民主党は中野区議会では少数で、国政とは全く異なることが分かる。自民、公明、共産党が多数を占めている。

□区民の利害とは無関係の政党同士の無用な対立が多いこともあり、稲垣さん自身は無所属を通しているという。また地方議会は、国会のように議員内閣制度ではなく、二元代表制で、「区長 対 議会」で多数決の賛否によって決定される。そこでは、区長と多数派を占める政党の間でお互いに恩を売るような「慣れ合いの関係」の構図があるらしい。無所属の少数派の意見は通りにくい傾向があるので、陳情は多数派政党の議員に集中するようだ。

▼自民党議員が多い中野区

□このような背景があるため、区議会では、発言の内容ではなく、どの立場(政党)のだれが発言したのかが重視されるという。

□中野区の特徴は自民党が多く、支持者は地元の地主や商店主で、地域密着型の政治色が強い。隣りの渋谷区は、自民と民主が半々くらいと地域によって異なる。東京のような都市部では地方に比べて女性議員の割合が高いという。

▼税金の仕組み

□次に「歳入決済額の推移」(図1)、「歳出決算額の推移」(図2)、「扶助費の推移」(図3)を見ながら、どのようなシステムで税金が徴収され、また支出されるかを説明してくれた。

□基本的に23区の場合は、「住民税」、「たばこ税」、「軽自動車税」の3つの税金だけが区が直接徴収できる。しかし固定資産税、法人住民税は東京都が一括徴収し、「特別区交付金」として各区の財政状況に応じて格差が生じないよう各区に分配される。いわば東京都からの「お小遣い」と言える。住民税収が多い、渋谷区や港区はこの交付金額は少ない。しかし中野区、足立区、台東区、北区等、住民税収が少ない自治体はこの交付金の恩恵を受けることになる。

三水会資料_稲垣_1-s
「歳入決済額の推移」(図1)※クリックで拡大

▼タバコは居住地で購入を

□「たばこ税」は直接徴収できるため、ある店舗でたばこを購入すると、その購入店舗がある区の税収になる。当然繁華街やビジネス街の多い新宿区や港区等のたばこ税収入は大きい。中野区のたばこ税の収入は約17億円だが、新宿・港区だと40億円以上になるという。健康には、たばこはよくないが、税収源としての観点からは、滞納がなく、区にとっては最高だという。
□「喫煙者の方は、ご自分の居住区内で購入してください。(笑)」と付け加えた。

▼問題多い支出

□出ていくお金、つまり支出を大まかに分けると、義務的経費とそれ以外に大別される。
義務的経費で問題なのは人件費だ。区職員、区議会議員の費用が主で、中野区では以前は職員が2500人以上いたが、今は2000人を目指している。職員を減らした分は民間に部分的に委託しているが、この費用は物件費として支出される。ところが民間委託の数字はブラックボックスになっていて、人件費としてどれだけ支出されたかは明らかにされていない。つまり人件費が本当に減ったのかどうかは不明なのだ。

三水会資料_稲垣_2-s
「歳出決算額の推移」(図2)※クリックで拡大

▼増える生活保護費と子ども手当

□さらに問題なのは扶助費だ。扶助費の推移を見ると分かるように年々、生活保護費と子ども医療費助成が増え続けている。
□生活保護費は、平成13年度は87億円だったが、平成24年度予算では160億円以上で、約10年前に比べ、ほぼ倍増している状況だ。これは国の法定受託義務で、4分の3が国の負担、4分の1が自治体の負担である。以前この負担割合を1対1にしたいという提案が国からあったが、各区市町村が拒否してこの割合で継続されている。生活保護をもらう人は医療費が無料なので、どんな費用がかかる治療であっても気軽に病院に行ける。23区では小中学生の医療費は自治体から全額補助されるので無料で、少子化にも関わらず、増加し続けているという。具体的にみると、部活動後のスポーツマッサージも補助で受けていたり、無料によるコンビニ受診によって緊急医療の必要な子どもが後回しにされたりする事例があるので、検討が必要ではないかという。
□「本当に必要とする人のために、お金が使われているのか疑問に思うこともあります」という。

三水会資料_稲垣_3-s
「扶助費の推移」(図3)※クリックで拡大

▼国民健康保険料の未納率は3割

□国民健康保険料の未納率は中野区では3割で、増加し続けている。本来なら医療や介護に使うべきお金ではない一般会計のお金がこの穴埋めのために、8億円以上も中野区では使われている。

□「国保については、以前は一次産業従事者が多く加入していたが、今は、派遣社員等収入が不安定な若い人が4分の3くらいを占めているので、払いたくても払えない人が増加しているのが現状。これで保険料を値上げしても未納が増えるだけで、抜本的改革が必要ではないだろうか」と稲垣さん。

▼地方政治にもっと関心を

□最後に稲垣さんは「講演で一番訴えたかったのは、少しでも地方政治の実態を知り、関心を持ってもらいたい。そして、区長、区会議員の主張・行動を良く考慮して、投票をしてほしい」と述べた。

□「地方自治体の納税者の80%はサラリーマンですが、その声がないがしろにされがちな現状を少しでも改善したい」という。「また地方政治について知らない人や無関心の人が多いので、まず現状を知ってもらうことで、少しでも、地方政治に関心を持ってほしい」と訴えた。
最後の質問コーナーでは、役所の労働効率、税金、国民健康保険等について、さまざまな意見交換が行われた。

(感想)
□区長の権限がこんなに大きいとは知らなかったし、自分の身近なところにある地方政治を改めて見直す良い機会で大変勉強になった。数年後の地方選挙のときに参考にしたいと思った。淡々とした口調で熱い思いを語られた稲垣さんの今後の活躍を応援したい。
この講演会は昨年9月に開催予定だったが、台風の影響で2012年3月まで延期になった。

(報告 山田洋子 '77外独)

プロフィール
稲垣淳子(いながきじゅんこ)さん(’94年外仏)
中野区議会議員
福岡県生まれ。’94年フランス語学科卒業後、会社員を経て翻訳家として独立。
その後、2007年4月無所属で中野区議会議員初当選(36位1,753票)。
無所属会派「一粒会」を立ち上げ活躍、昨年の改選では2位で無所属再選を果たした。
(2011年2,852票)
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  • Date : 2012-04-15 (Sun)
  • Category : 三水会
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