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三水会11月講演会 セブン-イレブンの戦略~宮地信幸氏(’91年文新)

■講演テーマ:セブン&アイグループの概要とセブン-イレブンの戦略
■講師:宮地信幸(みやじのぶゆき)さん (91年文学部新聞学科卒) 
    株式会社セブン&アイ・ホールディングス、広報センター広報オフィサー
■日時:2011年11月16日(水)18時30分~21時
■場所:ソフィアンズクラブにて
■参加者数:31名


宮地信幸氏
(宮地信幸氏)


□セブン&アイの名前は誰もが知っている。ところがグループとしての全体像をご存知だろうか?2012年2月期の連結営業利益予想が前期比17%増の2860億円と過去最高と快進撃をつづける同グループはコンビニ、総合スーパー、百貨店、レストラン、金融、ITとその領域は実に広い。同ホールディングス広報オフィサーの宮地さんに株式会社セブン-イレブン・ジャパンを中心とした総合流通グループの目指すものをお聞きする。



□日本の小売業界の歴史を売り上げの推移で振り返ってみると、70年代の百貨店、80年代の総合スーパーの時代を経て、1990年代以降はコンビニエンスストアが主役に躍り出た。なかでもセブン-イレブンが2000年、2010年には売上1位を占めている。その親会社がセブン&アイグループだ。傘下にはコンビニエンスストア、総合スーパー、フードサービス、百貨店を主に、金融サービス、IT/サービス、薬局、ぴあ、タワーレコードにいたるまで多岐にわたるグループ会社を抱え、まさにコングロマリットである。今回の三水会では、そのセブン&アイの広報担当、宮地伸幸氏('91年文新)が、百貨店、総合スーパーに代わって現代社会の小売業界のトップに躍り出たセブン&アイグループの経緯と、今後の戦略を中心にお話いただいた。


▼生まれは米国の氷販売店

□日本のセブン-イレブンは、イトーヨーカ堂が1973年にアメリカの小売会社サウスランド社(現7-Eleven,Inc.)とエリアライセンス契約を締結し、ヨークセブンとして設立したのが始まりだ。78年に社名を株式会社セブン-イレブン・ジャパンに改称した。


小売業売上変遷
(小売業売上変遷)※クリックで拡大

グループ会社紹介
(グループ会社紹介)※クリックで拡大


□もともと米国のセブン-イレブンは、1927年にテキサス州ダラスで、暑い気候のため氷の販売を始めたのが起源だ。そのうちパンや牛乳など一般の食材も置くようになり、1946年に朝7時から夜11時まで開店しているので、店名を7-Elevenに改称。ところが1980年代後半に米国本社は全米コンビニストアのディスカウント競争に負け、ほとんど倒産しそうになり、他社に買収されそうになったため、急きょ本社を救済するような形で日本のセブン-イレブンが、1991年に米国本社の株式を取得した。2005年に米国本社を完全子会社化し、日本国内用の商標権も昨年数百億円をかけて買い取ったという経過がある。海外における商標権は、未だに米国本社の管轄であるという。


▼発展の秘密はフランチャイズ店制度

□従来の百貨店、総合スーパーにないセブン-イレブンの大きな特色は、フランチャイズ店制度にある。つまり加盟店の個人事業主よりロイヤルティを徴収する形で高い利益を上げていることだ。そのため店舗増設のために高額な土地代や建設費を払ったりすることなく、店舗を各地にきめ細かく拡大していくことができる。そこが百貨店や総合スパーにない大きな強みである。と同時に、いかに加盟店に顧客が求める品質の良い商品を他店よりも早く、安く、効率よく届けるかが勝負となる。


□その象徴的な例として宮地氏は東日本大震災での復旧活動を取り上げた。


□セブン-イレブンは東北地方の920店舗のうち、600店舗が震災のため休業せざるを得なくなった。しかしほぼ1ヵ月後には、休業数は60店舗に減り、すみやかな復旧ができた。それは過去のさまざまな緊急時の体験で積み上げたノウハウがフルに活かされたからだ。


□「小売業者の本能・DNAですが、私たちはとにかく店に商品を届けるということに日ごろ執念を燃やしています。鈴木会長も直接製造業者に協力要請の電話をしたり、まさに全てのグループの総力をあげての対応策をとりました」


震災の様子を話す宮地氏
(震災の様子を紹介する宮地氏)※クリックで拡大

緊急支援のヘリ画像
(セブン-イレブンの緊急支援ヘリ対応)※クリックで拡大


□セブン-イレブンが保有するヘリやバイクを飛ばし、総力をあげて、災害対策本部におにぎり、パンなどの食料を配送した。他社にないセブン-イレブンの強みは、製造業者が90%以上専用に稼働できる点だ。そのため、効率よく調達可能になったという。製品の調達ルートも海外をはじめ、全国各地から、バックアップ体制で、調達をした。他のコンビニチェーンの場合、その割合は多くても40%くらいだという。


バックアップ体制で調達の説明
(バックアップ体制の再構築)※クリックで拡大


□店は津波で流されたが、オーナー・従業員が無事な所は、ATM付きの移動販売車を配備したり、「安心お届け便」で再開。さらに電話局との連携で、通常レジカウンター後ろにある固定電話を、店頭の外に出して、携帯電話が通じない中、非常用に自由に使用できるようにした。


移動販売
(セブン-イレブンの移動販売活動)※クリックで拡大


震災緊急対応
(セブン-イレブンの震災緊急対応活動)※クリックで拡大



「セブン-イレブンに行けば、いつでも通じる電話があるというひとつの目印になった。その結果、普段コンビニを利用していない人逹にも、その存在が認められ、新たな顧客発掘につながったんです」


非常用電話の設置
(セブン-イレブンの非常用電話提供活動)※クリックで拡大



□震災を通して、インフラ整備のサポートという役割を果たすことで、一般消費者にとっては、コンビニに対して新たな発見、イメージアップにつながった訳だ。



▼コンピューターで商品の配達・管理を徹底

会場様子
(講演会の会場の様子)



□フランチャイズシステムを効果的に機能させているのが、出店、商品、現場力の3つだと宮地氏は強調する。


□出店に際しては、綿密な立地条件の調査を行い、ドミナント方式という「高密度多店舗出店方式」で、ひとつの地域に集中的に出店する。これにより、近くて便利な店が実現でき、物流等すべてが効率化される。競合店が近所に出来ても、一定期間をおけば、その地域でのコンビニに対する認知度が上がるので、売り上げが上がるという考え方だ。



高密度多店舗出店方式
(高密度多店舗出店方式について)※クリックで拡大



□商品はカテゴリー別の「温度帯別共同配送方式」で、「つくりたてのおいしさ」を届ける方針の下に、4つの温度帯を基準に配送されている。かつては業者ごとに納品したため、店舗の前に70台もの配送車が駐車しTE社会問題になったが、今は効率化が進んだ。



温度帯別共同配送
(温度帯別共同配送について)※クリックで拡大



□そのインフラを支えているコンピューターシステムは、各店舗ごとに天気予報の予測をはじめ、おにぎりが種類別に何時何分に品切れになるのかまで確認できる。そのため発注も効率的に行われ、欠品は絶対に許されない。その稼働率は99.9995%という一般のクラウドPCより精度の高い単品管理システムとなっている。


□商品開発は、チームマーチャンダイジングが、核となり、さまざまな分野のメーカーと共同で新商品の開発は行われている。弁当については、役員の試食会をクリアしないと店舗に出せない。1998年に役員の試食会で11回NGを出した「冷やし中華事件」という過去の苦い経験から門外不出の細かいチェック項目を有する合理的なマーチャンダイジングプロセスのノウハウが作られた。2007年にはそのプロセスを全グループの共有にし、セブンプレミアムというPB製品を開発した。現在は、海外メーカーも含み、そのプロセスはグローバル化しているという。



セブンプレミアム資料
(セブンプレミアム資料)※クリックで拡大



□フランチャイズシステムの大きな課題は、加盟店の個人事業主の意識をいかにして高め、不良・欠陥商品を出さないかにある。そのためOFCという加盟店窓口の担当者を置き、全国会議を開催して、問題点を洗い出し、個人事業主の指導に努めている。その全国会議には約1,800人のOFCが集まり、その費用だけで、年間15億円もかかるという。


□「直接のコミュニケーションを大切にしないと、現場へきちんと本部の指図が伝わりません。これは、他社には真似できないセブン-イレブンならではの底力とも言ってよいでしょう」



▼買い物弱者に対するサービスも

□問題がないわけではない。


□小売店舗数の減少、女性の社会進出、人口減少・世帯数の増加、少子高齢化、拠点の空洞化という社会的変化を消費者ニーズにつなげるのが今後の大きな課題だ。最近は中食など食の外部比率は増加しており、具体的には、従来、食品では、「まにあわせ」の即食性が重視されたが、2009年以降は、スーパーと同じような長鮮度の高い食材や冷凍食品の売り場が大きくなっている。最近ではATMの利用が1日120件で金融サ―ビスの利用者も多い。また公共料金等の支払い取り扱い件数が3億2400万件で金額で3兆円になり、商品の売り上げ金額を越えている。



社会的課題とニーズの変化
(社会的課題とニーズの変化)※クリックで拡大


売れ筋品目の変化
(売れ筋品目の変化)※クリックで拡大



□震災後、軽トラックによる「ミールサ―ビス」という食事の宅配システムも導入され、お年寄りや病者など「買い物弱者」に対するサービスも始めた。無機質なコンビニのイメージから、「触れ合い」「コミュニティー」をキーワードに、社会の需要に対応するコンビニは、今やデパートや総合スーパーには真似できないものになっている。


□国内でコンビニストアのマーケットシェアは36%だが、鈴木会長には業界1位をめざし、過去の成功体験を否定して、新しいことに挑戦するようにと言われている。
その他、後継者問題、グループシナジー、マーケティング等の課題についても触れられた。最後の質問コーナーでは、返品・廃棄・価格値下げの問題、米国本社との沿革、商品計画等について活発な質疑応答があった。



世界のセブンイレブンの目標
(世界のセブン-イレブンの目標)※クリックで拡大


ネット対応
(セブン-イレブンのネット対応)※クリックで拡大



▼感想

□裾野の広いセブン&アイという企業グループの横顔がセブン-イレブンを中心に具体的に示され大変興味深い内容だった。コンビニは、「『大人の駄菓子屋のような楽しさがある』という記事を日経新聞でみたが、この「駄菓子屋」は多機能に進化し、金融サービスもあり、緊急時にはインフラ整備のサポートもする。近所のセブン-イレブンの店頭を改めて見直している。その起源は、米国ダラスの「氷販売」の店で、その7時から11時開店のコンセプトが日本でさらに飛躍を遂げ独自のシステムを構築したというのも興味深かった。

(報告:山田洋子 '77外独)



宮地信幸氏
(宮地信幸氏)




宮地信幸氏略歴
1967年名古屋生まれ。リスボンで2歳の時から4歳まで過ごし帰国。'91年上智大学文新卒業後、CSK入社、社長室企画室、広報を担当。94年に転職し、セブン-イレブンに入社。店舗勤務・スーパーバイザー(店舗経営相談員)を経験。'97年から広報室に移動、途中アイワイバンク銀行に出向し、2005年セブン-イレブン広報室マネージャー、'06年持ち株会社体制になり、セブン&アイ・ホールディングス広報担当(課長職としてセブン-イレブンの広報を中心に担当)現在に至る。



セブン-イレブングループについて
企業数 104
展開エリア 世界16カ国国内45都道府県
店舗数 4万1,900店 国内4万1,700店
売上高約8兆7千億円 
従業員数94万人 (10年2月末)
年間来店客数 145億人

※具体的に商品別にその年間売上をみると(データ:2010年度実績より)おにぎり:15億個、ソフトドリンク:22億本、パン:19億個、たばこ:20億箱



アイテム内訳資料
(セブン-イレブンのアイテム内訳について)※クリックで拡大



・店舗数・規模感・他のコンビニとの比較
項目セブン-イレブンローソン
来期売上高の予想

約3兆円

約1兆6千億円

同営業利益

約1,730億円

520億円

同店舗数

約13,000店

約9,900店

今期1日平均売り上げ

約63万円

約51万円

同1日平均客数

1,033名

872名

同1日平均客単価*

609円

573円


(*客単価が他社より高いのが特徴であり強み。)

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  • Date : 2011-12-24 (Sat)
  • Category : 三水会
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