最新記事
123

ドイツ演劇事情・ドイツ文化センターについて

▼ドイツ〈ミニ〉演劇事情
ドイツ文化センターロゴ
(ドイツ演劇関係ロゴマーク)

ドイツ文化センター文化部企画を担当している小高慶子(1981年文学部独文学科卒)が、ドイツの最新の演劇事情についてお伝えします。

小高氏
(小高慶子さん)

 ここ何年にもわたり東京ではほぼ毎年、何本かのドイツからの来日演劇公演が行われて、多くの観客のみなさまの関心をひきつけています。今年も9月には東京の国際演劇祭〈フェスティバル/トーキョー〉にベルリンからフォルクスビューネが来日することになっており、期待が高まっています。

▼社会的インフラとしての劇場

 ドイツではその歴史的背景から、百万都市のベルリン、ハンブルク、ミュンヘンはもちろん、ある程度の規模があれば地方都市でも、警察や病院がそこにあるのと同様、いわば社会的インフラの一部として州立や市立の公共劇場があります。その数は全国で145ほど、それ以外に280の民間の劇場、140ほどのオーケストラがあり、年間延べ10万回(!)を超える演劇公演、約7千回のコンサートによって古典から前衛まで幅広いプログラムを網羅し、延べ3千5百万人に上る観客を動員しています(出典:ドイツ舞台芸術協会 Deutscher Bühnenverein)。

▼ドイツ演劇システムの3つの特徴

 公共劇場は多くが〈オペラ・バレエ・演劇〉の3部門を同組織内に統括しており、年間を通じてレパートリー上演を行っています。それを支える専属のアンサンブルがあり、スタッフも常勤で雇用されているなど、近年、財政難から予算が減らされているとはいえ、東京新国立劇場でさえ専属の演劇アンサンブルを持たない日本と比べて、ドイツはまだまだはるかに恵まれている環境にあり、それが良質で多彩なドイツの劇場文化を支えています。

▼連邦制と文化政策

 これを支えている文化政策ですが、連邦制をとっているドイツではこれは教育分野と同様に州ごとの決定事項です。劇場規模によってその予算額は違いますが、劇場予算におけるチケット販売による自己収益率はおよそ15-30%で、それ以外は州、あるいは市から投入される予算によって賄われています。

▼演劇シーンの新しい傾向

 しかし一方では、こういった公共劇場システムに収まりきらないインデペンデントな演劇集団やダンスカンパニーなどが近年、独自の活動を活発に展開しており、その存在感を増しています。それらの拠点となる民間の劇場は公共劇場からは一線を画し、共同プロダクションなどの形をとって、これらの演劇集団やカンパニーの活動を支えています。いずれにしても手厚い財政支援があって、ドイツの劇場文化が成り立っているのは間違いありません。

▼ドイツ文化センターの演劇分野における取り組み

 ドイツ文化センターでは、このようなドイツの最先端の演劇を紹介する催しを企画しています。リーディングによってリアルタイムでドイツ戯曲を紹介、演出家や研究者などを招いてのレクチャーやトーク、日本語字幕付きの舞台映像の紹介などのプログラムです。ドイツ文化センターのHPをご覧になって、ぜひこれから始まる秋の企画に足を運んでください。

※ フェスティバル/トーキョー「無防備映画都市―ルール地方三部作・第二部」(ルネ・ポレシュ)
  http://www.festival-tokyo.jp/program/CinecittaAperta/ 

▼ドイツ文化センター Goethe-Institut Japan

ドイツ文化センター外観
(写真 ドイツ文化センター 建物)

 ドイツ文化センターは、ドイツ外務省の外郭団体ゲーテ・インスティトゥート(本部・ミュンヘン)の日本の出先機関で、ドイツ語とドイツ文化の海外における普及を担っています。日本では東京の他に京都、大阪に拠点がありますが、京都は今年からヴィラ・カモガワというドイツからのアーティストのレディデンシャル・プログラムを支援する拠点として生まれ変わりました。

 語学部ではさまざまなリクエストに応じたドイツ語講座を用意しており、図書館では最新の新聞や雑誌、図書などをそろえてドイツに関する情報を発信しています。文化部では、さまざまな文化イベントを通じてドイツ最新の文化事情を日本に伝え、日独の文化交流を促進する活動を展開しています。今後の催し物については、HPの催し物カレンダーで詳細をご覧いただけるほか、メーリングリストにご登録いただくと、定期的にニュースターの配信を受けることができます。  
(文:東京ドイツ文化センター文化部 企画担当 小高 慶子('81文独))

東京ドイツ文化センター
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/jaindex.htm

大阪ドイツ文化センター
http://www.goethe.de/ins/jp/osa/jaindex.htm

ヴィラ鴨川
http://www.goethe.de/ins/jp/kam/jaindex.htm
スポンサーサイト
0

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
0

Trackback

Trackback URL

検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
Return to Pagetop