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原発事故でどう変わる日本のエネルギー政策

□福島の原発事故で原子力のあり方や日本のエネルギー政策の見直しを迫られている。日本のエネルギー政策が大きなターニングポイントを迎えたのは間違いない。
□当面の大きな問題は冷房需要が増加する夏のピーク電力需要への対応である。多くの住民を混乱に陥れる計画停電は避けなければならないし、ましては供給不足による不測の停電はあってはならない。東京電力管内では、夏場の気温によっては不足する供給力は1,000万kWを上回る可能性もある。家庭や企業の自主的節電だけでは供給不足は乗り切れない。

▼LED照明で原発1基分の省エネ

□政府が検討している法的拘束力のある総量規制などの電力需要抑制策も一時的には必要なオプションであろう。同時に、需給逼迫が長期化しないよう、追加的な供給力の確保と、我慢や不便さを強いる節電ではなく、省エネ機器の普及などによる需要削減の努力も重要である。例えば家庭で白熱電球1つを、少し値段が高いLED照明に変えれば、東電管内全体では約100万kWの省エネ(原発1基分に相当)が見込め、150時間くらい使えば元は取れる。

▼エネルギー基本計画の柱は原発

□長期のエネルギー需給については、昨年6月に閣議決定された「エネルギー基本計画」に示された展望が、今後のわが国の需給展望の基本となっている。「エネルギー安定供給」、「経済効率性」、「地球環境保全」をバランスよく達成するためには、二酸化炭素を排出せず、国産エネルギーであり、経済性にも優れた原子力の積極的な活用がうたわれている。
□同時に、太陽光をはじめとした再生可能エネルギーの極めて意欲的な導入も盛り込まれている。低炭素化社会をリードするエネルギーのエースは原子力であり、再生可能エネルギーも長期的には重要な役割を担うというものである。

▼第一次石油危機が原子力推進

□歴史を振り返れば、エネルギー政策の大きな転機は1973年の第一次石油危機であった。電力供給の確保が最優先課題で、発電用エネルギーの約75%を閉めていた石油をいかに確保するかが喫緊の課題であった。まさに石油危機は電力危機への対応だったと言ってよい。石油危機を契機に脱石油、つまり石油代替エネルギー開発がエネルギー供給政策の重要な柱となったが、その中で原子力の推進は石油代替の重要な役割を果たしてきた。同時に、省エネルギー政策が強力に推進され、世界でも冠たる省エネルギー・環境技術の最先端国となった。危機をチャンスに変えたと言えよう。

▼原発事故で迫られるエネルギー政策の転換

□今回の原発事故は、石油危機以上のエネルギー政策転換の契機になりそうで、原子力利用に大きなブレーキがかかるのは避けられそうもない。すでに政府からも原子力発電所新増設を盛り込んだ現在のエネルギー基本計画の見直しを検討する意向が表明されており、再生可能エネルギーの一層の活用も言及されている。また、新エネルギー推進論者からは原子力をやめ新エネルギーを活用すべきとの声が益々高まっている。

▼二者択一でない冷静な議論を

□問題は原子力のウエイトを下げることはできても、発電用の30-40%を担う原子力を抜きに安定的な電力確保が可能か否かである。再生可能エネルギーは、枯渇することなく、クリーンであり、夢のあるエネルギーであるが、コストの問題、立地上の量的な限界、供給の不安定性等、まだまだ解決すべき課題が多い。しかも導入には時間もかかるため、一挙に原子力の代替ができるのか、夢を語るのは良いが、過大な期待もできない。新エネか原子力かの二者択一ではない冷静な議論が必要である。

▼現実的でない原発の否定

□一方、今回の電力不足を契機に、国民の節電意識、省エネマインドは一層強くなったように思われる。省エネルギーの推進もコスト負担が求められるが、供給面の対応に比べれば圧倒的に安上がりでのはずである。省エネルギー技術の浸透は永遠に枯渇することのないエネルギー供給源を確保したに等しい。
□最後に、私は決して原子力を擁護し、再生可能エネルギーに消極的なわけではない。むしろ環境論者であると思っている。ただ、実現不可能な理想論を振りかざし、一部マスコミにも見られるポピュリズムに同調するのは、結局は国民に大きな負担を強いることになるのではないかと懸念している。霞を食べては生きてはいけない。原子力発電の利用自体を全面的に否定することは現実的ではなく、今回の事故の教訓を生かし、十分な検証をした後、国民合意のもと、安全で合理的な活用を検討していく必要があろう。(了)

日本エネルギー研究所  常務理事  伊藤浩吉('68外ポ、'70経経)
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