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三水会 2015年7月講演録: 小田靖忠さん('66文新)

■講演テーマ: 「海外ファッション・ブランドとグローバルビジネス」~バブルから現在■日時: 2015年7月15日(水) 18:30~21:00■場所:ソフィアンズ・クラブ■講師: 小田靖忠(おだやすただ)さん(1966年文学部新聞学科卒)   セント・ジョン株式会社 元代表取締役■参加者数:30名<プロフィール> 卒業後広告代理店「マッキャン・エリクソン博報堂」に入社。1990年「ヒューゴ・ボス・ジャパン」社長に就任しファッション業界へ。そ... ■講演テーマ: 「海外ファッション・ブランドとグローバルビジネス」~バブルから現在<br />■日時: 2015年7月15日(水) 18:30~21:00<br />■場所:ソフィアンズ・クラブ<br />■講師: 小田靖忠(おだやすただ)さん(1966年文学部新聞学科卒)<br />   セント・ジョン株式会社 元代表取締役<br />■参加者数:30名<br /><blockquote><p><プロフィール><br /> 卒業後広告代理店「マッキャン・エリクソン博報堂」に入社。1990年「ヒューゴ・ボス・ジャパン」社長に就任しファッション業界へ。その後、1992年に「ダナキャラン」の日本代表をはじめ、多くの外資系企業代表を歴任。2002年からは「セント・ジョン」の社長を務めるなど、海外ブランドのファッション業界で活躍。現在同社の日本撤退に伴い、同社特別清算人に従事。卒業以来15社の代表取締役を歴任し、海外ブランドの世界で手腕を発揮してこられたファッション業界屈指の鉄人。</p></blockquote><br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/2016012312283948f.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/2016012312283948f.jpg" alt="㈰正面 RIMG16028" border="0" width="430" height="323" /></a><br /><br /><strong><span style="font-size:large;">外資系(ブランド)社長業を生きぬく<br />―海外ファッション・ブランドとグローバルビジネス―<br /></span></strong><br /><span style="font-size:large;">▼オープニング</span><br /><br /> 黒水幹事「今回、ファッション業界週刊誌<a href="http://www.wwdjapan.com" target="_blank" title="『WWD Japan 』">『WWD Japan 』</a>に小田さんの連載インタビューを拝見して、講演のお願いをいたしました。小田さんが代表を歴任されてきた外資系ファッション業界は、まさにグローバルビジネスの只中にあり、海外ブランドは世界資本の変化の中で時にその主を変え、グローバル企業として生き続けています。1990年代は、まさに日本のバブル経済とその終焉でした。小田さんは、多くの海外ファッション企業の日本代表として企業を率いてこられ、その中で体験されたビジネスの真髄とその裏側を今日お話しいただきます。また、いやでもグローバル化する社会での、これからの日本の立ち位置についてお話しいただきます」<br /><br />講演は、配布されたレジュメと<a href="https://www.wwdjapan.com/publication/wwd_japan/150525.html" target="_blank" title="WWD連載コピー(2015年5月25日~6月29日)">WWD連載コピー(2015年5月25日~6月29日)</a>を参考にしながら進められた。 <br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601231231281fa.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601231231281fa.jpg" alt="㈪黒水幹事オープニング挨拶RIMG16034" border="0" width="430" height="323" /></a><br /><br /><span style="font-size:large;">▼講師口上</span><br /><br />「私は、ファッション業界の週刊誌「WWD Japan」のコラム『ファッション業界人物列伝―あの時、私は―』に6回連載のインタビュー記事が掲載されたのを機会に今回の黒水さんより講演依頼があり、お受けしました。この話が、少しでも現役の方のお役に立てればと思います。<br /><br />今日は、『私の職業は社長職』ということでお話しをさせていただきます。私は、ファッション業界の人材育成機構という団体の講師をやっていた関係で、いくつかの大学でもファッションビジネスの話をしたことがあります。私の話の刺激をうけてチャレンジをしてくれている後輩もいますので、世の中に『社長業』というものが存在するということもお話しの材料になるかと思います」と。<br /><br />小田さんの軽快な語り口で講演はスタートした。<br /><br /><span style="font-size:large;">▼特出した外資系企業での“職業は社長業”という経験</span><br /><br />まずご自分の経歴のユニークな点について述べられた。<br /><br />「2015年6月22日に12年やった社長をやった会社の清算が終わり、その結果私の50年のサラリーマン人生は終わったと思い、ファッション業界の週刊誌「WWD」のインタビューを受けました。私は大学卒業後、外資系企業でしか働いたことがなく、日本に進出してくる海外の会社の日本子会社を作ってきました。また、過去50年間で正式に12社の転職をし、後半は社長または、メインの会社をやりながら、依頼された企業も含め、15社ほどの会社の社長もやってきたことが、他の方とは異なるユニークな点だと思います。自分で望んだわけではないが、だんだん自分の志向性で、それを実現するためにそのようなキャリアになりました。中には1年で閉鎖された企業もありますが、最後の会社で最長12年ほど在籍しました」<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160123125921277.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160123125921277.jpg" alt="自己紹介430x304" border="0" width="430" height="304" /></a><br />(資料:自己紹介 ※クリックで拡大)<br /><br /><span style="font-size:large;">▼最初は外資系広告代理店でキャリアを磨く</span><br /><br />小田さんの経歴の前半は広告代理店で、後半はクライアントサイドのファッションブランドメーカーでキャリアを積まれたという。<br /><br />「新卒で入社したのは、外資系大手広告代理店です。自分のキャリアの特徴として前半の約20年は広告代理店で、学生時代、新聞学科で学び、『広告研究会』も作り勉強したので、Account Executive (AE)として、広告代理店で活躍するのが夢でしたが、最初に入った広告代理店では、媒体部という希望とは異なる部署だったので、どうしてもAEをやりたくて、約2年後、他の広告代理店に転職をしました。後半は、クライアントサイドで仕事をしたくなり、20社ほど面接を受けて、転職をしました」と語られた。<br /><br />昭和41年卒で、約2年で在籍した広告代理店の同期の半分の人は転職をしていたそうだ。その当時は、日本の資本自由化により、アメリカ中心に外資系企業が参入し、それに伴い大手アメリカの広告代理店が日本に進出してきた時代でもあった。<br /><br />小田さんは、「日本の広告代理店はメディアを代表しますが、外資系の広告代理店は、クライアントサイドを代表する立場で、販促、コミュニケーションをはじめ、マーケティングの勉強は自分なりにやりました」と振り返られた。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601231233149ed.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601231233149ed.jpg" alt="㈬会場の様子RIMG16078" border="0" width="430" height="323" /></a><br /><br /><span style="font-size:large;">▼人種差別が少ない日本の海外ブランド企業</span><br /><br />クライアントサイドのメーカーに転職後、経験されたグローバル企業の特徴にも触れられながら、某フランス系企業で知り合ったギリシア系ルーマニア人の経歴も紹介された。「世界でもこれだけ多くの海外ブランドを扱い人種差別がないのは、日本だけですね。民族とその国、自国の人間を最優先するという意味で、日本もそうかもしれないかもしれないが、育った環境の中では、差別は感じていません。外資系における差別というのは経験しないとわかりません」とグローバル企業のある側面についても語られた。<br /><br />その後、転職されたファッション業界の話題や裏話(ファッション業界週刊誌<a href="http://www.wwdjapan.com" target="_blank" title="WWDJapan">WWDJapan</a>に掲載)に触れられ、会場の参加者全員は、興味深く小田さんの話に引き込まれた。<br /><br /><span style="font-size:large;">▼世界の常識―ファッション産業は経営のプロに任せろ!</span><br /><br />小田さんは、最後に在籍された米国系ファッション企業では、CEOの電話ひとつで日本撤退を余儀なくされたという。アメリカはファンドの力が強く、ビジネスとして考えると、ファッション産業は、「生」のデザイナーがブランドを成功・継続させるのが難しく、経営はプロの経営者に任せないと存続は厳しいと強調された。<br /><br />東日本大震災の救済で個人ファンド等、ビジネスのファンドのはたす役割が変わってきたが、ご自身は社長代行業をしながら会社を監視し、CEOをサポートするような仕事も受けるようになり、『社長業』というようになった。<br /><br /><span style="font-size:large;">▼世界的ブランド企業には文化がある</span><br /><br />小田さんは世界有数のブランドメーカー数社に転職されたが、ご自身の経験から、キャリア形成のヒントにもついてふれられた。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160123130059087.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160123130059087.jpg" alt="Career Development 転職するなら430x314" border="0" width="430" height="314" /></a><br />(資料:Career Development クリックで拡大)<br /><br />「各世界的ブランドには文化があり、そのビジネスが独自のMARKETING戦略を取り入れていることを、実務をとおして、吸収し、自分のキャリアを創ってきた」と語られた。<br /><br />小田さんは留学経験はないが、今でいうMBAをとると、若くしてマネジメント職になれるチャンスは多いので、よいのではないか。また、フランスの大企業では、人を国際的に育てる余裕があるが、日本企業は、まだそこまでのレベルに達していない。英語ができでもマネジメントができる人間は、日本ではまだ少ないのが、たいへん残念で、もっと人を育て、外に出すことが大切ではないか、また、海外の企業においても学閥、人種差別はあたりまえで、競争はあったほうがよいと思うが、ビジネスの世界でのグローバルな教育は日本ではもっと必要であるとも語られた。<br /><br /><span style="font-size:large;">▼業界トップの専門領域を持つことが転職の武器</span><br /><br /> 小田さんは転職を何社も経験されているが、自分の専門領域をもって転職し、できれば業界のトップにいくというのが大切であり、さらにマネジメントに必要な5つのセンスを強調された。特に柔軟に即対応することとリスクマネジメントの大切さを訴えられた。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160123130230f0e.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160123130230f0e.jpg" alt="マネジメントに必要な5つのセンス430x273" border="0" width="430" height="273" /></a><br />(資料 マネジメントに必要な5つのセンス ※クリックで拡大)<br /><br /><span style="font-size:large;">▼質問コーナー</span><br /><br />高級ブランドファッション業界の現状については、「どこも業績は厳しいが、ユニクロのようなファーストファッションの進出で、ターゲッティングが特に難しい時代であることや、むずかしいビジネスでも、ファッションビジネスにチャレンジする人がいるのは、クリエィティブで夢があるからだが、ビジネスを拡大しようとすると失敗する危険も大きい」と述べられた。また日本の経営者は採算のあわない部門を切り捨てられないのが問題ではないか等、現在の日本経済について、外資系トップを歩んでいらした小田さんと興味深い意見交換があった。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601231303323be.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601231303323be.jpg" alt="㉀質問コーナーRIMG16073" border="0" width="430" height="323" /></a><br /><br /><span style="font-size:large;">▼感想</span><br /><br /> 三水会には、松尾幹事(オンワード)をはじめ小田さんのようなファッション業界の重鎮もおられ、さまざまな分野で活躍されている卒業生の層の厚さを感じた。外資系の同じ分野で仕事をしてきた自分にとっても、海外本社のトップの判断で、想定外で、目まぐるしく変化する状況にいかに即対応してリスク回避するのか様々な経験をされてきた小田先輩の有益なお話しであった。最近グローバル化という言葉とは反対に、若者の就職も安全志向が増えている印象を個人的にはもっているが、ぜひ後輩の人たちには、小田さんのように世界に通じる経営のプロなってもらえればと思った。(報告 山田洋子 '77外独)<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160123130432b5c.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160123130432b5c.jpg" alt="㉂懇親会松尾幹事RIMG16101" border="0" width="430" height="323" /></a><br />
  • Date : 2016-01-23 (Sat)
  • Category : 三水会
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2016年度(第25回)「コムソフィア賞」候補者募集!

あなたの推薦で授賞式を盛り上げよう!2016年度「コムソフィア賞」候補者募集中マスコミ・ソフィア会は「コムソフィア賞」を設け、母校の発展とともに各界で活躍する優れたソフィアンを顕彰してきました。昨年は「上智大学戦没者追悼ミサ」への協力および会場での写真展の実施を優先し、例年の「コムソフィア賞受賞式」を中止したため、今回が第25回目の記念すべき授賞式となり、これを多くの方が集まる「オールソフィアンの集い」(... あなたの推薦で授賞式を盛り上げよう!<br />2016年度「コムソフィア賞」候補者募集中<br /><br />マスコミ・ソフィア会は「コムソフィア賞」を設け、母校の発展とともに各界で活躍する優れたソフィアンを顕彰してきました。昨年は「上智大学戦没者追悼ミサ」への協力および会場での写真展の実施を優先し、例年の「コムソフィア賞受賞式」を中止したため、今回が第25回目の記念すべき授賞式となり、これを多くの方が集まる「オールソフィアンの集い」(2016年5月29日)の会場で行うよう計画しています。<br /><br />「コムソフィア賞」選考基準は、上智大学の関係者(在学生、卒業生等)で<br />(1)国際社会、地域社会に貢献した優れた人物、<br />(2)際報道、日本紹介に優れた業績を挙げた人物、<br />(3)マスコミ学に新しい優れた論文を発表した人物<br />となっています。<br /><br />同級生など身近な方から先輩後輩まで、これはという優れたソフィアンをご推薦ください。自薦他薦問いません。<br /><br />一昨年度(2014年)は、<br />◆コムソフィア賞:師岡 文男(もろおか ふみお)さん<br />  (1976文史卒 上智大学文学部教授・保健体育研究室室長)<br />◆コムソフィア賞濱口賞:安田 菜津紀(やすだ なつき)さん<br />  (2010総合人間学部教育学科卒 フォトジャーナリスト)<br />の2人の方々が受賞されています。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-76.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20150301122953d66.jpg" alt="第24回コムソフィア授賞式安田1" border="0" width="430" height="323" /><br />(右)コムソフィア賞:師岡文男(もろおか ふみお)さん<br />(左)コムソフィア賞濱口賞:安田菜津紀(やすだ なつき)さん<br /><br />推薦の方法は、候補者の氏名とプロフィール、推薦する理由を記入の上、推薦される方の氏名、卒業年度及び学部学科、現職名、e-mail address(連絡先)等を添えて下記までお送り下さい。<br /><br />e-mail:info@cumsophia.jp<br />郵送:上智大学マスコミ・ソフィア会<br />   〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1上智大学ソフィア会内<br />   (TEL:03-3238-3041 FAX:03-3238-3028)<br /><br />締め切り:2016年1月31日(コムソフィア賞選考委員会)<br /><br />なお、これまでの受賞者一覧は下記よりご確認いただけます。<br /><a href="http://cumsophia.blog106.fc2.com/blog-entry-172.html" title="<コムソフィア賞受賞者一覧>"><コムソフィア賞受賞者一覧></a>
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三水会 2015年6月講演録: 竹之内祥子さん('78文英)

■講演テーマ: 新しいまちの暮らし方を目指す;生活をシェア(分かちあう)する思想の実践―「okatteにしおぎ」スタート―■日時: 2015年6月17日(水) 18:30~21:00■場所:ソフィアンズ・クラブ■講師: 竹之内祥子(たけのうちさちこ)さん(78年文学部英文学科卒)   (株)コンヴィヴィアリテ 代表取締役   (株)シナリオワーク代表取締役 ■参加者数:30名<プロフィール>竹之内祥子(たけのうちさちこ)1980年上智大学大学院文... ■講演テーマ: 新しいまちの暮らし方を目指す;生活をシェア(分かちあう)する思想の実践<br />―「okatteにしおぎ」スタート―<br />■日時: 2015年6月17日(水) 18:30~21:00<br />■場所:ソフィアンズ・クラブ<br />■講師: 竹之内祥子(たけのうちさちこ)さん(78年文学部英文学科卒)<br />   (株)コンヴィヴィアリテ 代表取締役<br />   (株)シナリオワーク代表取締役 <br />■参加者数:30名<br /><br /><プロフィール><br />竹之内祥子(たけのうちさちこ)<br />1980年上智大学大学院文学研究科博士前期課程卒業。1982年㈱シナリオワーク設立。その後同社取締役、個人事務所設立を経て、2003年㈱シナリオワーク代表取締役に就任。女性消費者を中心とする消費者研究、マーケティング戦略立案などのプロジェクトを手がけ今日に至る。2015年4月㈱コンヴィヴィアリテを設立し、「okatteにしおぎ」をオープンする。<br /><br />「okatteにしおぎ」<br />公式サイト<br /><a href="http://www.okatte-nishiogi.com/know.html" target="_blank" title="http://www.okatte-nishiogi.com/know.html">http://www.okatte-nishiogi.com/know.html</a><br />Facebookページ<br /><a href="https://www.facebook.com/okatte.nishiogi/" target="_blank" title="https://www.facebook.com/okatte.nishiogi/">https://www.facebook.com/okatte.nishiogi/</a><br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160112095019e35.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160112095019e35.jpg" alt="正面写真RIMG15602" border="0" width="430" height="323" /></a><br /><br /><br />司会(佐藤幹事)「今回講師にお願いした竹之内さんは、まちのシェアキッチン&リビング・プロジェクト「okatteにしおぎ」を立ち上げられ、この春西荻窪にオープニングされました。聞くところによるとこのプロジェクト「まちのシェアキッチン」という新しい発想は、地域の人を呼び、人と人をつなげているそうです。「食」を中心にしたまちのパブリックスペースというコンセプトも話題を呼んでいます。このスペースでは、食事をつくりたい人が集まる。イベントを開きたい人が企画する。小さいビジネスにトライしたい人が場を活用する。そんな人と人の出会いのスペースの仕掛人、竹之内さんに発想の原点やこれからの発展イメージなどをお聞きしたいと思います。ちなみに竹之内さんが作られた会社「コンヴィヴィアリテ」の意味を調べたところ、『会食の楽しみ、共に飲み食いする楽しみ』、日本語では『一期一会』という意味があるそうです」<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601120942441ea.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601120942441ea.jpg" alt="オープニングRIMG15615" border="0" width="430" height="323" /></a><br />(写真 オープニング)<br />―――――――<br />竹之内さんの講演を聞きながら現在世界で進行している新しいライフスタイル・シェアして暮らすことを身をもって実践されていることに感心した。以下は私なりに纏めてみた。<br /><br /><span style="font-size:large;">▼「okatteにしおぎ つくって食べる、みんなの“お勝手”」</span><br /><br /> 「okatteにしおぎ」は、竹之内さんの自宅を改装し、2階をシェアハウス、1階をシェアキッチン兼集会室に改築したスペースである。もともと4人家族が住んでいた住宅を、家族構成も縮小してきたこともあり、構造は変えずに外壁を杉板張りにして、南側にキッチンと土間を増築、LDKだった空間を板の間と畳スペースにした。BEFORE・AFTERの写真や図面で構造や内部が紹介された。内装、外装には、国産の杉、桜等、自然の材木を使い、昔の日本の民家のような感じになっている。竹之内さん自身「とても気持ちのよい空間で気に入っている」そうだが、特にキッチンには業務用のガスコンロ、イタリア製のオーブンもいれ、営業許可も取ったという。<br /> 「okatteにしおぎ」の案内を見ると<br />――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br />単身世帯が増え、孤食・個食が一般化した昨今、家族や世帯を単位とした共食も難しくなっています。okatteにしおぎは、地域で食を共にする「まち食」を中心にして、日常の暮らしの一部をシェアしながら、まちと関わって暮らす「まち暮らし」を提案します。そして、かつては女性のための場所だった「お勝手」が「まちの関わりの拠点」という現代の新たな役割をもって、老若男女問わず多種多様な人々が気軽に立ち寄る場所となり、「人と人」「人とまち」「人と自然」とが関わり合いながら育っていく暮らしを実現してまいります<br />――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br />とある。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160112094422886.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160112094422886.jpg" alt="㈰okatte外観" border="0" width="430" height="286" /></a><br />① okatte外観 写真撮影:砺波周平<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601120944236b1.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601120944236b1.jpg" alt="㈪okatte板の間" border="0" width="430" height="286" /></a><br />② okatte板の間 写真撮影:砺波周平<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160112094426abd.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160112094426abd.jpg" alt="㈫okatteキッチン" border="0" width="430" height="286" /></a><br />③ okatteキッチン 写真撮影:砺波周平<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601120944252fc.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601120944252fc.jpg" alt="㈬okatteと秋田のスカイプ食事風景" border="0" width="430" height="286" /></a><br />④ Okatteと秋田のスカイプ食事風景 写真撮影:栗原大介<br /><br /><span style="font-size:large;">▼今、なぜ「okatteにしおぎ」か</span><br /><br />2年ほど前、竹之内さんは、次の3つの問題につきあたったという。<br />一つ目は、相続税対策。もし親御さんに何かあれば相続税が重くのしかかってくることが心配で、銀行に相談にいったところ、アパート経営を進められたが、どうもぴんとこなかった。<br />二つ目は、自分に残された人生、あと10年? 竹之内さんは、一昨年病気で手術をした時、もし平均寿命まで生きるとしても、自分が元気でいられるのはあと10年くらいかもしれないと思い、その残された10年間に何か面白いことをやってみたいと思うようになった。<br /><br />三つ目は、これまでの仕事であるマスマーケティングの限界について。実際、時代の潮目が変わっていることを感じ、いわゆる消費社会とは別の方向性を模索したいと思い、今回の企画を考え始めたという。<br /><br />そしてその結果、次のようなキーワードでアイディアを模索し始めたという。<br />1. シェアハウス?下宿? 2.いろいろな人が集まる場 3.食×スモールスビジネス<br /><br /><span style="font-size:large;">▼「okatteにしおぎ」のコンセプトを煮詰める</span><br /><br />「まずは、アパートを新築する予算の半分でリフォームをしてシェアハウスにしようかと思っていました。ヨーロッパ映画にでてくるような下宿屋のおかみさんもよいかなと(笑)」ただ、シェアハウスだけでは面白くないとも思ったという。<br />「周辺は昭和に開発された住宅街で、高齢者が一人で大きな家に住んでいたり、核家族で家族が煮詰まっているように見えることもありますが、そういうことは、あまり表にでてきません」。そこから、シェアハウスと合わせて、皆が集まれるコモンスペースを併設したいと思った。<br /><br />仕事柄、食関係の潮流を長年見てきたが、マスを相手にする企業ではむずかしい個食化への解決策をそうしたスペースにキッチンをつけることで提供できるのではないかと考えた。同時に、食の仕事をやりたくても場がないとか、例えばお菓子作りをしているが、自宅キッチンではできない等の悩みを抱えている人のサポートもできそうだと考えた。<br />こうしたことは、今回プロジェクトにコーディネーターとして携わっているN9.5という会社の齊藤志野歩さん他4名のメンバーや設計を担当されたビオフォルム環境デザイン室の山田貴宏さんらと出会い、彼らと話をするなかからでてきたものだという。<br /><br />講演では、その出会いの背景や、打合せとコンセプトについてのブレストを繰り返し行った様子も紹介された。<br /><br /><span style="font-size:large;">▼「okatteにしおぎ」の発想の原点</span><br /><br />1)コンセプトの発想の原点となったのは、祖父母の家。昭和30年代の祖父母の家を示しながら、竹之内さんは梅干しを祖母と漬けたりした記憶もあり、昔風の広い台所がプロジェクト実現によいと思ったという。<br />2)さらにプロジェクト実現のために自分の好きな「サマーウォーズ」というアニメの中に、「栄おばあちゃん」という89歳のおばあさんが出てきて、彼女が家族にあてた手紙の一文「一番いけないのは、お腹がすいていることと一人でいることだから」からヒントを得た。地球が破滅する時でもごはんをたべ、家族と一緒にいなさいという一文は、東日本大震災のときにもツイッターで拡散され、個食化している現状にとても必要なことだと思ったそうだ。<br /><br /><span style="font-size:large;">▼「okatteにしおぎ」には、アイディアが一杯</span><br /><br />講演では、建物「okatteにしおぎ」の内部も紹介された。子供のいる人には畳があるほうがよい、料理教室用の台所はアイランド形のほうがよい等、ワークショップ形式で20人ほどの人に集まってもらい、利用を想定したアイディアを出しあった。設計面では国産木材の使用、太陽光を取り入れるための天窓、ペレットストーブ等環境に配慮した工夫を行い、伝統的な工法で作られた。現場が自宅敷地内なので、毎日大工さんが手作りで建てている進行の様子をみることができたという。<br /><br />「okatteにしおぎ」メンバーになる際の説明会の流れ、会費、活動の説明があった。具体的には、メンバーは30歳代中心で女性が90%。自転車圏内、中央線沿線内の住人で、子供のいるワーキングウーマンから、シャツ職人まで職業はさまざま。クリエーティブ、ソーシャル系の人が多いようだ。主だったイベントも紹介され、多いときで40-60名の参加者があるという。会員が主導する●●部のような分科会も作られ、さまざま企画がおこなわれているという<br /><br /><span style="font-size:large;">▼新しいくらしの器「okatteにしおぎ」―集まり・楽しみ・効率よく・面白く</span><br /><br />竹之内さんは、「okatteのおもしろさは消費者(お客様)にはならない、でもボランティアでもないという。『サービスを提供して、お客様は神様です』という従来の供給側と需要側の立場という関係ではなく、自分のできることや持っているものを持ち寄りいい関係ができることと考えている。“オープンで対等な関係”、つまり、競争的になりがちになるような関係ではなく、ばらばらの他人同士が集まって一緒にプロセスを楽しみながら結果を出す面白さを引き出したい。<br /><br />また、小商いの可能性の場としても活用したいという。小商いとはお互いの顔が見える小さな市場で自分が創るクラフトマンシップを発揮し、市場拡大より、持続することを重視するビジネスのあり方。大きく拡大しようとすると縛りがでるが、小商いという形ならトライアンドエラーができ、楽しい社会が作れるのではないか。また、これからはご近所の資源を活用する。例えば、近所の某有名ホールの支配人やワインアドバイザー資格をもっている人に『ご近所大学』のような講座をお願いしたり、こども食堂等で皆で楽しく食事をしたり、近所の庭の梅や果物をとなどをとってジャムにして配る等の活動をしていきたい。他の地域たとえば秋田の野菜をみなで料理して食す会を開催しネットで発信し、自然に仲間になるようなネットワークを創るのもよいのではないか」とも語った。<br /><br />さらに上智大学NEXST100委員会ウーマンネットワークの活動でチョコレートを作成する体験ワークショップ(カカオラボ)も紹介された。<br /><br />最後に「会員になりたい人は説明会を開催しているのでご興味のある方は是非いらして下さい」と締めくくられた。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601120947124b7.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/201601120947124b7.jpg" alt="会場の様子RIMG15767" border="0" width="430" height="323" /></a><br />(写真会場の様子 講演の様子)<br /><br /><span style="font-size:large;">▼質問コーナー</span><br /><br /> 会場からは、メンバーの条件等、入会についての具体的な質問が出た。賛同者のみに会員になってもらうという主旨を説明され、意見交換が行われた。そして竹之内さんの学生時代の思い出と仕事については「三水会幹事の黒水さんといっしょの放送研究会サークルで一号館のスタジオに入りびたりだった。マーケティングの仕事は大学院のときにバイトをしていたところに転がり込んだのがきっかけ。得意な分野は定性調査。主な領域は消費財で、食品や化粧品が中心。」と語られた。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160112094752555.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160112094752555.jpg" alt="質問コーナーRIMG15739" border="0" width="430" height="323" /></a><br />(写真 質問コーナー)<br /><br /><span style="font-size:large;">▼感想</span><br /><br />ご自分のなさってきた経験をベースとされ、シェアハウスの「okatteにしおぎ」を立ち上げ、仕事や地域活性にもつながる活動をライフスタイルにとりこみ自然体でされている竹之内さんのお話し興味深く伺った。特に講演の中で「所有する」感覚から皆とくらしをシェアして自分に残された人生を共に生きるという考えに感動した。今後のご活躍を御祈りする。(報告 山田洋子 '77外独)<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160112094859752.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/20160112094859752.jpg" alt="懇親会RIMG15784" border="0" width="430" height="323" /></a><br />(写真懇親会)
  • Date : 2016-01-11 (Mon)
  • Category : 三水会
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欧州は再び「壁」をつくるのか 「難民危機」と「テロ」との戦い

欧州は再び「壁」をつくるのか 「難民危機」と「テロ」との戦い (2015/11/24)最首公司(1956文新) 「ベルリンの壁」が取り壊されて、この11月9日で満26年になる。その8日ほど前の11月1日、壁取り壊しのきっかけ作ったジャボスキー・ギュンター氏がベルリン市内で86歳の生涯を閉じた。 1989年11月9日、東ドイツ共産党政治局員で報道担当だった同氏が、党が決定した「西ベルリンへの通行自由化」を発表した が、このとき... 欧州は再び「壁」をつくるのか 「難民危機」と「テロ」との戦い (2015/11/24)<br />最首公司(1956文新)<br /><br /> 「ベルリンの壁」が取り壊されて、この11月9日で満26年になる。その8日ほど前の11月1日、壁取り壊しのきっかけ作ったジャボスキー・ギュンター氏がベルリン市内で86歳の生涯を閉じた。<br /><br /> 1989年11月9日、東ドイツ共産党政治局員で報道担当だった同氏が、党が決定した「西ベルリンへの通行自由化」を発表した が、このとき記者団から「それはいつから?」という問いに、一瞬考えたあと「直ちに」と応じた。これがきっかけで東ベルリン市民 は検問所に殺到、あふれた市民は「壁」を乗り越え、そして壊し始める。この市民の動きが加速、増幅されて津波のごとく反政府運動 に高まり、ウルブリヒト東独政権が倒れ、東西ドイツ統一が実現し、遂には東西冷戦を閉幕させるエネルギ-にまで高まった。もしも あの時彼が「時期はこれから決める」と答えていたら・・・。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/babilon.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/babilon.jpg" alt="babilon.jpg" border="0" width="430" height="323" /></a><br /><br />写真1 「古代バビロニア・イシュタール門」。もし、ISがユーフラテス河畔を占領したら破壊しているかもしれない。<br /><br /> たまたま欧州回遊中だったので、「ベルリンの壁」の跡地を見ておこうと、ベルリンへ飛んだ。宿は観光名所の「博物館島」にある ビジネスホテル。歩いて博物館や美術館に行けるし、メトロ、バス利用で「壁」が保存されている旧検問所「チャーリー・チェックポ イント」にも簡単に行ける。近くには欧州一の高さを誇るテレビ塔や大聖堂もある。<br /><br /> 一歩外に出て目についたのは物乞いの多さだった。ホテルを出た大通り、メトロ入口、出札所の前、車内にはギターやバンドネオン を弾きながら小銭を集めてまわる中高年者。大聖堂広場のベンチで休んでいたら「英語が読めるか?」と近づいてきた老女が紙片を差し出した。道を尋ねているのかと思って読んだら「スロベニアから逃げてきた。お金を恵んで」という内容だった。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/charlie.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-90.fc2.com/c/u/m/cumsophia/charlie.jpg" alt="charlie.jpg" border="0" width="430" height="323" /></a><br /><br />写真2 かつて検問所があった「チャーリー・チェックポイント」。いまは観光名所で売店になっている。<br /><br /> 難民、移民にやさしいといわれるドイツだが、さすがに限界がきたようで、メディアは「Refugee Crisis」(難民危機)と呼び、国民に拒否反応が出てきたことを報じている。すでにハンガリーは難民受け入れを拒否して「壁」を設けた。EUとアフリ カ首脳による難民の帰還対策会議がマルタで開かれた。<br />このあと、ロンドン経由で無事に帰国したが、1日遅れてパリ経由にしたら「パリ同時多発テロ」に遭遇していたかもしれない。欧州の「反難民」ムードは益々強まり、現実の「壁」の前に「心の壁」ができるだろう。実はこれこそが、自爆テロを仕掛けたISの狙いだ。先進国での民族間対立や宗派間憎悪を拡大させ、社会全体に動揺を与えながら不安や不満をたぎらせた若者たちを釣り上げていくからだ。(エネルギー・フォーラム誌電子版からの転載)
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